禁煙の次は禁酒。お酒にまで規制をかけるなら、カジノ解禁なんてナンセンス。
時代遅れの喫煙者たちへ。もはやたばこはオワコンです。
7世紀ごろのマヤ文明・パレンケ遺跡においてはすでに神がたばこをくゆらすレリーフが発見されており、このころにはすでに喫煙の習慣がはじまっていたことを示しているそうで、1300年以上にわたって嗜好されてきたたばこ。
日本には慶長6年(1601年)、肥前国平戸(長崎県平戸市)に来航したフランシスコ会員ヒエロニムス・デ・カストロが平戸藩主松浦鎮信にたばこの種子を贈呈。慶長10年(1605年)に長崎の桜馬場で初めてたばこの種が植えられたとされています。
今は、なぜ発売禁止にしないのか不思議なくらい、たばこへの風当たりは強いのですが、昭和の頃は、水と同じくらい当たり前の生活必需品として、暮らしの中に入り込んでいました。
小学校の先生はたばこを吸いながら授業をしていたし、会社のデスクには普通に灰皿が置いてあって、煙で真っ白なオフィスでも、喫煙者・非喫煙者、男・女から妊婦まで、誰も文句を言うことなく仕事をしていたし、
ご飯を食べながらたばこを吸ったり、くわえたばこで赤ちゃんをだっこしたり、今から思えば気違い沙汰ですが、それが当たり前の光景でした。
ところが、平成に入ると突如として規制が厳しくなり始めます。
はじめの頃は、オフィス内での禁煙や、非喫煙者に対する受動喫煙の防止、ポイ捨て等の喫煙マナーの向上といった啓蒙活動、自主対策だったのですが、2002年10月、日本全国に先駆けて千代田区が「千代田区生活環境条例」を施行。これは何かというと、歩きたばこに2,000円の罰金を課せるというもの。
当時、私は神田で仕事をしていたのですが、街のあちこちに見張り番のような人が立っていて、歩行禁煙を注意していました。
中央区や港区あたりで打ち合わせをして、くわえたばこで歩いているうちに千代田区に入っちゃうことも。
以来、禁煙ムードはエスカレート。飲食店では分煙化が進み、当時できたばかりだった神田のスターバックスは店内全面禁煙。たばこを吸えるのは表に出ているテーブルでだけ。喫煙者だった私は、喫煙者をないがしろにするスタバになんて行くものか。と、アンチスタバ派に。肩身の狭い思いをしながらも、喫煙できる場所を転々としながらヘビースモーカーをキメていたのですが、駅のホームの喫煙所が撤去されたときに、喫煙をあきらめました。
以来10年、すっかりたばこはやめています。
厚生労働省では、東京五輪までに屋内全面禁煙を法案として成立させようとしています。
禁煙はできても、禁酒はできない。それこそ生活の一部だから。
4月1日、国際的に広がるアルコール規制を日本でも推進するため、厚生労働省に「アルコール健康障害対策推進室」という部署が新設されました。
禁煙ブームが進んだの、2003年にWHO(国際保健機関)総会で採択された「たばこ規制枠組条約」がきっかけだったそうですが、2010年には「アルコールの有害な使用を減らすための世界戦略」を採択したとのこと。
お酒の歴史は有史以前から。
1万4千年前に狩人がクマなどに荒らされて破損した蜂の巣に溜まっている雨水を飲んだことが始まりとされている。(wikiより)
いまお酒が発見されたら、身体は壊すし、自分の人生も壊すし、他人の命を奪うこともあるという、ろくなものではないわけで、“毒”として扱われるのではないかと思います。
とはいっても1万年上も飲み続けてきて、宗教儀式から様々なしきたりの中にまで、生活と完全に一体化しているものを、今さら規制できるわけがないと思っていたのですが。
禁酒への趨勢は、じわりじわりと勢いを増しています。
世界各国で取り組んでいる「酒の安売り禁止」「飲食店での飲み放題禁止」「酒類の広告規制」「酒税の税率アップ」「公共の場所での販売規制」といったアルコール規制を見習って、日本でも手始めとして、6月1日に改正酒税法が施行され、お酒が値上げになります。
さらに、「飲み放題」「自販機」についての事業者に対する自主的な規制、未成年者や妊産婦などがお酒を飲みたくならないように、広告・宣伝の自主規制といったことが、加速されていきそうです。
組織を形成して暴力を背景に職業的に犯罪活動に従事し、収入を得ている人の身入りを増やし、限りなく中毒患者を生み出し、生活破綻者を激増させるのは想像に難くない、カジノ解禁という最悪のカードを切ろうとしているのに、禁酒推進とはこれいかに。
排気ガスを出して地球温暖化を促進する自動車を必要な移動手段以外は規制する(している国もありますが)とか、原発を全廃する、マーガリンを廃止する、さらには小麦粉を廃止するといった規制の方が、まだ現実的なような気がしますが、たばこの前例があるわけで、10年後、20年後には、お酒を飲む人がマイノリティになっているかもしれません。
安く飲めるうちに、飲めるだけ飲んでおかなければ。