キャッチコピーからスローガンまで。コピーの種類、もはや分類不能。

コピーライターのメイン仕事は、もちろんコピーライティング。

原稿用紙に書きなぐり、キーボードを叩き続ける毎日です。

キャッチコピー・リードコピー・サブキャッチ・ボディコピー

Mac登場以前、ほとんどの広告は、およそこの組み合わせの中から作られていました。 少ない情報でありながらも、できる限り深く、魅力的に伝えることがコピーライターの腕の見せ所でした。

もちろん今でも基本は変わらないのですが…

Mac登場以降、できるだけ情報を詰め込むことを、求められるようになってしまいました。 意図があってスペースを空けていても、「ここ空いてるから、この情報も入れて」といって情報を追加してきたり、すでに情報びっしりで、どう調整しても入るスペースなんてないのに、「コピーと写真を追加」なんていうムチャなオーダーも、少なくありません。

Mac登場以前の印刷原稿(版下)は、写植を打つ

というプロセスが必要だったので、そう簡単に修正することができませんでした。

ところがMacが登場して以来、レイアウトを変えることも、文字や写真を追加することも、デザイナーのワンストップでできるようになり、それを知ったクライアントは、容赦なく修正を入れてくるようになってしまいました。

キャッチコピー・リードコピー・サブキャッチ・ボディコピー、もうひとつ説明文が追加され、ついでにフキダシが追加になって、さらに文字入れたいからデザインでなんとかしてくれっていわれ、文字をギリギリ読めるサイズにまで縮小し、結局 「何がいいたいんだ!」 という饒舌な広告になって、コピーライターの手を離れていく・・・

もはや文字多すぎで、キャッチコピー・リードコピー・サブキャッチ・・・といったコピーのカテゴリー分けができません。

追加で入れた説明文の横に添えた、吹き出しの中のコピーは、なんて呼べば良いのだろう。

それでもとりあえずオーソドックスに、コピーを分類してみました。

キャッチコピー

商品・ターゲット・マーケット・競合・社会情勢・差別化ポイントなどなどを、ひとつの言葉に込めて表現する。

コピーライターの腕の見せ所です。

原稿用紙に向かい、頭を抱えながら悶々とするのが基本。

与えられた課題を超える切り口鋭い言葉がひらめくまで、あの手この手でコツコツと思考をほじくり続けます。

 

リードコピー

キャッチコピーを補完する導入部。

メッセージをより鮮明にしながら、キャッチコピーとボディコピーを橋渡しします。

キャッチコピーで力尽きると、手を抜いた感いっぱいの、説明くさい文章になってしまいがちなのですが、商品の魅力をストーリーで語ることができるのかが、クリエイティブの腕の見せどころです。

TCC(東京コピーライターズクラブ)で賞を取ったことのある、某有名コピーライターが書いていた新聞全15段広告のデザインを、隣に座っていたデザイナーが手伝っていました。ところがリードコピー下手すぎでクライアントから修正が入り、なぜか私が書き直すことに。 さらに新聞に掲載されると、キャッチコピーが強すぎて売りにくいというクレームが販売店から入り、新聞全15段・シリーズ展開だったのですが、残念ながら1回で打ち切りに。それでも「コマーシャルフォト」という広告写真専門誌で、その広告のクオリティを絶賛する記事が掲載されていました。 調べてみたらそのコピーライター、事務所を構えて今でも現役で仕事をしています。

 

サブキャッチ

さらにボディコピーへと展開するために、商品特徴を端的に表現したもの。

上手く組み立てないと、キャッチコピー、リードコピーと内容がかぶってしまうので、意外と苦労します。 本音は“なくてもいいのに”と思いつつ、手抜きと思われたくないがために無理矢理書き上げることもあります。

 

ボディコピー

読む人なんてほとんどいないので、手を抜きがち。

私が駆け出しの頃、大嫌いだったクリエイティブディレクターは

「ボディコピーなんて、誰でも書けるようになるんだから、どうでもいい」

と、暴言を吐いていました。

確かに、とりあえずセールスポイントを羅列すれば、すぐに書けてしまいます。

ですが、本当はワンセンテンスごと、キャッチフレーズになりうるまで磨きあげた言葉を紡いで、さらに単語の途中で改行しないように文字数を調整するという、キラリと光る職人技までが要求されます。

私も、滅多にそこまではやりませんが。

 

スローガン

「お口の恋人」「ココロも満タンに」「NO MUSIC, NO LIFE.」といった、企業の理念や姿勢を言い表したもの。

この仕事が一番しんどいです。

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企業と言葉が寄り添って、使い続けていくうちに味が出てくるものなので、でき立てのスローガンって、大抵あまりパッとしない。

「こんなんでいいのかなぁ」と思いつつ、そっとクライアントに差し出す。

なかなか自信を持って書きあげられません。

 

スペック

価格や機能、色・柄、サイズ。

商品の仕様をまとめるのもコピーライターの仕事。

商品点数の多い通販カタログ等をやっていると、ここに「統一表記」という面倒な作業が発生します。

いろいろなバイヤーから、商品原稿がバラバラに上がってくるので、表記もバラバラ。

“黒”と“ブラック”、“cm”と“mm”、“素材”と“材質”

といった言葉を、すべて揃えなければいけません。

20年以上前、通販カタログ「ディノス」のコピーを担当していたのですが、原稿は指定の原稿用紙に、すべて手書き。あまりに手間がかかるので、スペックだけをまとめるスペックライターという人たちを雇って、書いてもらっていました。

統一表記は、スペック以外でも重要。「など」と「等」、「今」と「いま」、「ください」と「下さい」といった言葉は、同じツール内で混在させないように、最初に「統一表記リスト」を作ってチェックします。 いまでは一括変換機能があるので、かなり楽にはなっています。

 

キャプション

写真やイラストなどの説明文。

さすがにこれは、誰にでも書けるレベルのものです。

 

やっぱりコピーは型にはめず、思い通りに書けばいい。

最近では、駅貼りのポスターでも、情報がびっしり書いてあるモノがあります。

“誰もそんなの、足を止めて読まないよ”

と、本当は批判しようと思っていました。なのですが・・・

私が毎日通勤で通る海老名駅に「ビナウォーク」という商業施設があり、そこの駅貼りポスターは月替わりになっています。そして、ものすごく小さな文字で、イベントの情報がびっしり書かれています。

ミュージシャンが来たり、有名なお笑い芸人が来たり結構豪華。

3月は、原口あきまさ、村上ジョージ、バターぬりえ、コロコロチキチキペッパーズ、天竺鼠が来ていました。4月は、奥華子、どぶろっくが来る予定。

何で知っているのかというと、、、

 

 

スミマセン。

 

足を止めて読んでしまいました。

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もちろん、一瞬で興味を引くために、キャッチコピーやアイキャッチは重要な要素のひとつです。

でも後は、ツールの目的に合わせて自由に表現すれば良い。

ちゃんと伝わるのなら、文字びっしりの“饒舌な広告”も、キャッチすらない広告も、ありなのです。

 

 

ちなみに20年前に、こんな広告つくってました。

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