Be Creative!

ネット印刷会社は、印刷物を大切にしているのだろうか。広告制作の現場から。

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -

ウェーブ、ラクスル、グラフィック、プリントパック・・・

紙媒体をメインとした広告代理店でクリエイティブディレクターとして仕事をしているのですが、最近の印刷の主流はネット印刷会社へと、どんどんシフトしています。

そもそもどこの印刷屋も、安かろう悪かろうの単なる出力屋に成り下がっていて、印刷の色が合わないなんて当たり前。発送ミスや製本ミスも日常茶飯事。
クライアントにも、レーザープリンタで印刷したカンプ(出力見本)と色が違うといってくるのはまだ理解できるとしても、安いインクジェットプリンタで出力した校正用のPDFと色が違うなんていうクレームをつけてくるような人もいます。

色にこだわるのなら数万円の色校正代をけちらないで欲しい。印刷物の価値も価格も下がる一方です。

ネット印刷会社の中にも、しっかりとした対応で、色校を出せばキレイに仕上がってくる印刷屋もありますが。

そんな、安さ最優先のネット印刷では、ポスターを印刷すると、基本的に小さく折りたたんで納品されます。

衝撃です。

雑誌に綴じてある付録のポスターならいざ知らず、オリジナルで作ったポスターに折り目を入れるなんて。
納品時すでにキズもの。

ところが、これが標準。丸めて納品すると長尺物になって配送コストがかかるので、安くするために折りたたんでしまう。
せっかく刷り上がったポスターを折りたたんでしまう印刷屋も印刷屋ですが、配送代をケチって見栄えの悪い折り目の入ったポスターを作り、コストダウンできたと喜ぶクライアントもクライアント。

帆風やTooのような出力屋で、B2とかB1ポスターを出力するのに、はじめのころは1枚8,000円〜くらいかかっていました。
いまは、10枚20,000円〜、単価2,000円くらいで印刷できちゃう。

そこまで印刷コストが下がっているのに、さらに発送代までコストダウンしたがる。そんな渋いクライアントの仕事、いくらやっても儲からない。

大抵、予算がないといって制作費をたたいてくるクライアントに限って、写真が暗いだの、色が気に入らないだの、色校を見なければ見分けが付かないような修正をやたらと入れて、ムダな作業をさせる。そのくせに折り曲がったポスターを受け入れる。価値観がよくわかりません。

広告業界に入ったばかりの頃は、クリエイターはもちろん、お客様も、もっと印刷物を大切に扱ったものです。
余分に刷ったサンプルの、角を折り曲げることすら言語道断でした。

ポスターの保管も、丸めることさえ御法度。
恭しくも、のし餅のごとく広げたままで、ポスター収納用大型マップケースに大切に保管していました。

ヤフオクでポスター落札して、折りたたんで送ってきたら、100%クレーム確定ですよね。

制作費、印刷費が激減し、広告効果も得にくくなってきた紙媒体。

ネット印刷会社への発注によるコストダウンは、時代の趨勢として仕方がないものとしても、せめてポスターは折りたたみ禁止にして欲しいものです。

【ファイテンオフィシャルストア】公式通販サイト

テスト






この記事を書いている人 - WRITER -

Comment

  1. こりんまん より:

    初めまして。
    Mac歴、約20年の現在DTPオペレータ+αの仕事をしている者です。+αと付けているのは、デザイナーに近いこともたまにさせて頂いてるためです。
    近頃、ちょっとこの仕事に対する熱意が冷めかけてきて、ネットよりこちらに辿りつき、拝見させていただきました。
    仰る通り、今はネットで印刷物を安価で簡単に注文でき、納品も早いですね。最近弊社でも、印刷が納期に間に合わないような時、利用させていただいております。特に大判ポスターは弊社では大きさの限度があるので。でも、折り畳んで納品してくる会社があるなんて、大変驚きました。そのような会社があるのですね。大事な商品なのに…わかってないですよね。

    私は田舎の印刷会社に勤務しておりますが、物価が上がっているのに対し、クライアント側の「極力安くして!」の言葉にがっかりくる毎日です。そして記事にも書かれてあるように、そのくせ写真の色等にいろいろいう人達。最近では、クライアントがワードやエクセルで作ったデータの入稿が多くなりました。もちろん、色んな所が気になるのですが、データのバグ等がないかぎりは、そのまま印刷させております。
    Adobe製品も、一般の方でも扱えるほど普及しており、データ入稿が多くなってきました。
    たまに「知り合いのデザイナーからデータ送らせますので」というクライアントがいるのですが、その「自称:デザイナー」という人のデータを見た時、唖然としました。文字は揃っていない、フォントは使いまくり等…デザイナーとは言えない要素いっぱいのデータでした。これでデザイナーを名乗るなら、私だってとっくの昔に名乗ってるわ!と言いたいくらいでした。

    グラフィックソフトが安易に使えるようになったので、そのような人が増えたような気がします。もちろん、中には勉強した形跡が見える人もいて、たまにこちらの勉強になったりもしますが…

    写植時代に活躍されていた先輩方は今でもすばらしいと感心します。写植に文字打ちを頼む時点で、レイアウトがほぼ完成しているのですから。

    長くなってすみません。

    • takao より:

      メッセージありがとうございます。
      最近では、ai使えればデザイナーっていう人がほんとに多いですね。

      こりんまんさんの様な、職場にもクライアントにも恵まれていないデザイナー&コピーライター、いっぱい見てきました。

      私もその中の一人です

      何とかしないと、広告制作の現場がすべてオペレーションになってしまい、若い世代も育ってこず、素人クリエイターがどんどんはびこっていきます。

      そんな現状を何とかしたいなぁと思ってサイトを立ち上げました。
      今後サイトを通じて、いろいろとアクションを起こしていきたいと思っています。

      こりんまんさんからのメッセージも、参考にさせていただきたいと思います。

      本業が忙しくてなかなか更新できないのですが、たまにサイトを見に来て頂ければ幸いです。

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

Copyright© koukoku-ya , 2024 All Rights Reserved.