コピーライター×グラフィックデザイナー=広告制作の必要絶対条件。

コピーライターには、グラフィックデザイナーが必要です。

 

「本当にいいグラフィックデザイナーは少ないから、見つけたら大切にしろ」

 

コピーライターだった父からの、数少ないアドバイスのひとつです。

 

コピーライターになりたての頃、一緒に仕事をしていたグラフィックデザイナーは、みんな美大卒の選ばれし者たちだけ。

烏口(カラスグチ)やロットリングを使って同じ太さのケイ線を書くことすら、素人には真似できない職人技。

すべてのグラフィックデザイナーが、雲の上のような人たちに思えました。

その上のAD(アート・ディレクター)なんて、もはや神。

ラフを渡されると、ドキドキしながらコピーを書いたものです。

 

グラフィックデザイナーの良し悪しがなんとなくわかるようになるまで、3年以上かかりました。

その結果、いいグラフィックデザイナーって本当に少ないということもわかってきました。

 

レイアウトは得意だけれどアイデアが出せない。

アイデアは面白いけどカタチにできない。

文字組が下手。遅い。ミスる。雑。暴走する。

 

いろいろなタイプのグラフィックデザイナーがいて、守備範囲もそれぞれ。

コピーライターを経てCD(クリエイティブ・ディレクター)になってからは、グラフィックデザイナーのスキルを見極めて仕事をまかせることも、大切な役割となっています。

その中でも良いグラフィックデザイナーとは、

 

・バランスの良いグラフィックデザイナー

 あらゆるデザインをそつなくこなせる。言うなれば佐藤可士和的デザイナー。

 

・天才肌のグラフィックデザイナー

 プロセスはめちゃくちゃでも仕上がりが圧倒的。横尾忠則的デザイナー。

 

この2タイプに別れますが、いずれにせよ、そんなグラフィックデザイナーは滅多にいません。

 

バランスの良いグラフィックデザイナーは、メチャメチャ仕事がやりやすい。

 

逆に、天才肌のグラフィックデザイナーと仕事をすると、自分の無能さをイヤというほど思い知らされることになります。

そして天才肌のグラフィックデザイナーと仕事をすると、それに見合ったクオリティのコピーを書くべく、実力以上に脳力を振り絞ることになります。

 

「本当にいいグラフィックデザイナーは少ないから、見つけたら大切にしろ」

 

コピーライターだけではいい広告は作れません。

そして、コピーライターとして成長することもできないのです。

 

グラフィックデザイナーには、コピーライターが必要です。

 

ロジカルに考えるとデザインが画一的になるし、デザイン中心に考えるとロジカルが破綻する。

アーティスティックが過ぎると、表現は圧倒的でもコミュニケーションが希薄になる。

けれど、コミュニケーションを重視すると、説明くさくてつまらなくなる。

 

そんなグラフィックデザイナーの迷走に、言葉で筋道をつけるのがコピーライターです。

 

キャッチコピーひとつで、アイデアを着地させることができる。

 

グラフィックデザイナーでも、たまたまいいコピーを書けることがあります。

ダミーで入れていたコピーが、コピーライターのコピーより良くて、そのまま行ってしまうこともあります。

とはいえ仕事としてコンスタントにクオリティを保つとなると、“たまたま”に頼るわけにはいきません。

 

グラフィックデザイナーには、自分の頭の中のイメージを言葉にして定着させてくれる、信頼できるコピーライターが必要なのです。

 

そしてもうひとつ。

かつてはグラフィックデザインに合わせたボリュームで、コピーを書く必要がありました。

グラフィックデザイナーがラフでコピーの文字数を17文字にしたら、17文字ぴったりに書く。

今ではそこまでのスキルは求められていませんが、字面(文字の並びのカタチの見た目)の良し悪しを考えながらコピーを書いたり、ちょうどいい字切りで改行できるようにコピーを書いたり、グラフィックデザインを損なうことなく、コピーを書いてくれるコピーライターが必要なのです。

 

広告には、コピーライターとグラフィックデザイナーが必要です。

 

コピーライターとグラフィックデザイナーがいなければ、広告は制作できません。

 

広告を制作する際に、まずはコピーライターとグラフィックデザイナーがお互いにアイデアを持ち寄って、ブレストしながら方向性を絞り込んでいきます。

コピーライターがビジュアルアイデアを出すこともあるし、グラフィックデザイナーがコピーを考えてくることもあります。

その中からアイデアをブラッシュアップしていき、最後の一案に絞り込み、コピーライターはコピーを磨き上げ、グラフィックデザイナーはデザインを磨き上げる。

コピーライターはデザインにツッコミを入れ、グラフィックデザイナーはコピーにダメ出しをして、戦いながらお互いに納得の行くものを作り上げていく。

そこでコピーライターとグラフィックデザイナーの間に信頼関係が生まれ、最終的に2人(CD、ADも関わりますが)の作品として、広告を世に送り出していくことになります。

コピーライターとグラフィックデザイナーがそろっていなければ、広告は作れないのです。

 

ところがいまでは、大手広告代理店系のクリエイティブくらいでしか、正しい広告の作り方をしていません。

 

コピーライター不在の広告制作会社&印刷屋

基本的に小さな広告制作会社にはコピーライターはいません。

いてもグラフィックデザイナー10人にコピーライター1人が相場。

印刷屋はさらにコピーライターなんて必要ありません。

90年代中頃、多くの印刷が、これからは企画力が必要だということでCDやコピーライターを雇っていましたが、所詮印刷屋に求められるのは、企画力ではなくてコストパフォーマンス。

とっととコピーライターは不要になってしまいました。

 

広告制作会社も印刷会社も、今では基本的にコピーをクライアントから支給してもらう。

コピーライティングが必要なときは、デザイナーが適当に書く。

コピーライティングのボリューム(クオリティではありません)が、グラフィックデザイナーの手に負えない時に初めて、外注のコピーライターに頼む。

ということで、中小以下の広告制作会社や代理店、印刷会社で広告を制作しているほぼ100%のデザイナーは、ガチでコピーライターと組んで、クリエイティブな仕事をしたことがないのです。

 

そしてコピーライターはというと、そもそも広告制作会社にも印刷会社にも不在です。

そこで外注することになるのですが、フリーのコピーライターは、グラフィックデザイナーが作ったラフに言葉を当てはめていくだけ。下請けなので意見することなんてありません。

web系のコピーライターは、グラフィックデザイナーなんて見たこともない。

 

これで、良い広告が作れるわけがありません。

大手広告代理店系クリエイティブ以外のコピーライター、グラフィックデザイナーは、ちゃんとした広告の作り方を知らないままキャリアを重ねていく。

これが、リアルな広告制作の現場です。

 

グラフィックデザイナーと仕事をしたことがないコピーライターへ。

コピーライターと仕事をしたことがないグラフィックデザイナーへ。

 

今のままでは、絶対に広告業界でキャリアアップできません。

これからも広告業界でクリエイティブな仕事を続けていきたいのなら、コピーライターと、グラフィックデザイナーと一緒に仕事ができる環境に身をおくことを、真剣に考えましょう。

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