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お米が先か。おかずが先か。我家の食卓から、和の食文化を考える。

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白米を食べない、米レス男子が急増中。

20代男性の2割が、月に一度もお米を食べていない。

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朝食抜きで、昼も夜もコンビニか外食。自分で料理をすることなく、お米を食べるシーンが少なくなってきているのがその要因なのですが、お米抜きの食生活なんて信じられません。

ここ数年、クリエイティブ・ディレクターとして、食育関連の仕事に携わることが増えてきています。

テレビではどのチャンネルを見ても飽食を煽るグルメ番組ばかりですが、現実には冒頭のように偏った食生活が大きな社会問題となっており、正しい食生活の啓蒙活動が活発に行われているのです。

 

また平成25年12月には、

(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
(2)健康的な食生活を支える栄養バランス
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
(4)正月などの年中行事との密接な関わり

が評価され、和食が「和食;日本人の伝統的な食文化」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。

和食は“健康的な食生活を支える栄養バランス”にすぐれた伝統的な健康食。
世界的なブームになっているのも、海外での食に対する健康志向がベースにあります。

毎日食卓に上がる母や妻の手料理のすべては、子へ、孫へと受け継がれていくユネスコ無形文化遺産なのです。

心して食べましょう。

というわけで、アカデミックな話から入りましたが、本題はここからです。

ちなみに、10月24日(月)、記念切手:和の食文化シリーズ 第2集が発売予定です。

 

我が家の食卓に見る、日本の食文化。

結婚当初、妻の手料理は、メチャクチャ味が薄くて、まったくご飯がすすみませんでした。
しかも、かぼちゃの煮付けがメインだったりして、“これじゃぁご飯が食べられない”っていったら、ものすごく怒られました。

妻はかぼちゃでご飯が食べられるのか、と思って観察してみると・・・

なんと妻はおかずとお米を別々で食べていたのです。

おかずを口に入れ、そのおかずにちょうどいいだけの白米をかき込む。

ではなく、おかずはおかずで食べ切る。白米は白米だけで食べ切る。
または、白米はふりかけや納豆で食べる。

なので、おかずとお米のバランス関係がまったく無視されたメニューが食卓に上がるわけです。

しかも、おかずの味付けも、まったく塩っけなし。お米に負ける薄さ。

さらに、私は何でも醤油をつけて食べるのが好きなのですが、醤油を使うと“味付いてるんだけど”と言われます。
味付いてないんですが・・・一度正直に話たらケンカになったので、醤油が好きだからといってごまかすのですが、結局不機嫌になります。

さらに妻は、味噌汁は飲めますが、味噌が嫌い。なので味噌味のものが食卓に上がることはありません。

私は甘い料理をあまり好みません(お菓子やケーキは好きなのですが)。酸っぱいのも嫌い。

というわけで、さしすせそ全滅。

 

おかずとごはんの関係の違い。理由を探ると、答えは親の食生活にありました。

妻の実家で料理をご馳走になった際に、やはり料理のあちこちに塩っ気がありませんでした。
お義母さん曰く、お義父さんが一度病気をした際に、塩分を控えるようにといわれ、以来食事をすべて薄味にしているとのこと。

これで薄味の理由がわかりました。

そして、お米とおかずの食べ方の違いも義理の父親の影響でした。

義理の父親は酒飲みなので、食事の際に酒の肴としておかずをつまみながら酒を飲む。
一通り飲んだ締めにお米を食べるので、おかずが入らない。
だから漬物とか納豆でご飯を食べる。

酒飲みは酒が主食。お米を食べると入らなくなるので、先にお米を食べない。
さらにおかずとお米も一緒に食べない。

そういえば、私の父もアル中だったので、ほとんどお米を食べず、ず〜っとビールを飲んでました。

が、私の場合、父が一切肉を食べない人だったので、父の料理と私達が食べる料理はいつも別々でした。

なので私も酒飲みなのですが、父の食生活に影響を受けることはなく、酒と飯は切り離しています。
いまでもまずは食べてから、酒は酒だけでじっくり飲みます。

ですが妻は義父の影響を受けて、おかずとお米を切り離す食事の仕方が身についていたのです。

何人かにこの話をしたところ、やはり酒飲み環境で育った人や、いま酒飲みの人の中には、お酒ありきで、おかずは基本、酒のあて。お米は二の次という人もいて、我が家だけの問題ではないことがわかりました。

今ではおかずとお米のバランスが悪い時は、常備してある納豆でご飯を食べるようにしています。

そして子どもたちはというと。

家で食事をしながらお酒を飲む事なんて、年に2回くらいしかありません。

というわけで、息子はおかずとお米一緒派です。

なのですが、娘はおかずとお米を別々に食べてます。

こうして食文化は、母親の手からその子へ、孫へと、受け継がれていくのです。

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