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プレゼンはクリエイティブの真剣勝負。でもクライアントによっては…

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プレゼンの仕事が入ってくると、プレゼン当日までそのことが常に頭から離れることなく、「もっといいアイデアはないか?」「これで大丈夫か?」「見落としてることはないか?」と、電車に乗っていても、子供と遊んでいても、布団の中でも、ギリギリまで自問自答が続きます。

 

受注できなければタダ働きになってしまうので、絶対勝ちたい真剣勝負。

 

ところがプレゼンをさせておきながら“予算がなくなって作るのをやめた”とか“上司から今までの業者に出せといわれた”とか、ひどい断り方をしてくるクライアントもあります。

 

ですが、一番イヤなのは

“最後の2案まで残っていたんですけれど…”

というヤツ。

 

それでもこのご時世、仕事をもらうきっかけを、もらえるだけでもありがたい。

とは言いながらも、あまりにもひどい対応をされたプレゼンをいくつか紹介したいと思います。

 

Contents

なぜか、プレゼンに修正が入って戻ってくる

これは一社に限らず、結構やってくるクライアントが多いです。

気に入らないなら落とせばいいのに。

“ロゴをもう少し大きくしたのが見たい”とか“色を変えてくれ”とか“メインビジュアルが違うのも見たい”って、もはや提案したのとまったく別物。

プレゼンに修正が入って、受注できた試しがないので断りたいのですが、乗りかけた船、少ない確率でも受注できれば・・・と思って修正に対応すると、さらに追加で修正してくる。

 

ほとんど完成形になった時点で失注。

 

これって、10年近くにわたって鉄板のパターンだったのですが、今年になって1件受注できてしまいました。

“プレゼンに修正が入ると取れない”わけではなくなってしまいましたが、それでもプレゼンに修正を入れるクライアントって、やっぱりどうかしてると思います。

 

私が唯一プレゼンを途中で投げ出してしまったこと

そもそもオリエンを聞いて、やりたくなかった案件でした。

クライアントは某有名私立大学・某学部。毎年制作している学部案内の提案で、9社競合、合同オリエンでした。

そのオリエンが、仕様(サイズやページ数)の話だけで、内容の話はまったくありませんでした。

作り直す理由も、全学部で作り直すということになったから。いままでの学部案内もよくできていて、特にこれといって不満はないという。

プレゼンは、重さや厚さが分かるように、実際に使う紙とページ数で製本した束見本(つかみほん)を提出。それを課の中で回覧して、投票で決定するとのこと。その際に、背表紙にタイトルを入れないと落とすという、まったくワケが分からないオーダー。コンセプト等を説明するプレゼンテーションは不要。

 

「通常は貼り合わせ(プリンタで出力した紙をスプレーボンド等で貼り付けて製本したもの)で提出するのですが、それではダメですか」

業者

という他の業者の質問に、

「それでも良いですが、重さがわかるようにしてください」

クライアント

「紙を貼り合わせるので、倍の重さになります」

業者

「では、半分の重さの紙を貼り合わせてください」

クライアント

と、コントのようなやり取り。

 

担当者があまりにアホ過ぎてまったく乗り気ではなかったのですが、束見本を無料で作ってくれる印刷会社も見つかったので、とりあえず出すだけ出してみることに。

とはいっても前年の学部案内の内容をほぼ踏襲し、ちょっとだけ企画ページをプラスして、デザインをブラッシュアップしただけ。で12ページ分を制作。コア・アイデアからの提案は避けました。

というのも、教育機関ってメチャクチャ保守的なので、新しい提案はなかなか通りません。

回覧されるということは、束見本が一人歩きしてしまうので、なぜそうしたかをきちんと説明できない提案はリスクが高い。見映えで判断するといっていたので、あくまでデザイン重視でいきました。

束見本を提出する際に、一応デザインの意図を説明する企画書を付けて提出したものの、まったく取れる気がしませんでした。

 

すると、合否の連絡をくれるといっていた日程を半月以上超えた頃、“3社に絞ったので、プレゼンテーションをして欲しい”との返事が届きました。

 

プレゼンなしっていったのに勝手すぎ。

 

まぁ3社に選ばれたということなので、仕方なくプレゼンに行きました。

 

プレゼンの会場には、教授がズラリ15人。企画書に沿ってページ構成の説明と、デザインの意図を伝えたのですが、一番偉そうな人からの質問が、「一番のセールスポイントは?」というものでした。

 

いやぁ、困った。

 

特に斬新な提案をしていないので、セールスポイントというほどのものがありません。

 

「昨年の学部案内を踏襲しつつ、新しい施設を紹介するページをプラスしています」

 

一度説明していた内容をもう一度繰り返すと、なぜかアホな担当者が横やりを入れてきました。

「それほど新しい提案ではないですよね。ほかにないんですか?」

クライアント

「デザインを見やすく整理しています」

「デザインを見やすく整理といっても、具体的にいってくれないと分からない」

クライアント

「先ほども説明した通り、ホワイトスペース(ページの中で白い場所)を取ってスッキリ見せたり、色数を整理したり、アイコンを設けたりしています」

「ホワイトスペースを何パーセントから何パーセントにしてるんですか」

クライアント

「・・・」

「色数も、何色のものを何色にしたからこういう効果があるという説明はないんですか」

クライアント

「昨年の学部案内と見比べてもらえば分かると思うんですが・・・」

「デザインを見やすくしたって言われても、数値で具体的にいってくれないとわからないんですが」

クライアント

 

なんで教授を差し置いて、お前が質問してくるんだ? そもそも数値にしてたら企画書に書いてるわ。

 

何をいっても、さらに質問で返してくる。そこで、プチッと切れてしまいました。

 

「それは質問じゃなくてイチャモンでしょ」

「いやいや、私は素人でわからないから聞いてるだけです」

クライアント

「一ヶ月以上前に束見本も企画書も渡しているのに、そんなに分からないところばかりの提案を、なんで3社に残したんですか?」

「わからないところを説明してもらえると思ったから」

クライアント

 

もはやここまで。 これ以上説明できません。

 

一緒にいた営業に

 

「ごめん、後を頼む」

 

といって途中でプレゼンを投げ出してしまいました。

 

乗り気ではないプレゼンは、やるべきではないと心から反省しました。

 

先方の社長から、まさかのオファー

通販系・〇〇〇〇化粧品の新商品の駅貼りポスタープレゼンにて。

都内の某広告代理店に勤めていた時のこと。社長、顧問、クリエイティブ・ディレクター、グラフィック・デザイナーと一緒に、いちコピーライターとしてオリエンを聞きに行きました。

先方の社長から直々に話を伺ったのですが、“広告代理店は信用してない”とか“いろんな業者が提案してくるんだけど、いいと思ったことがない”とか“いいと思ったらいくらでもお金は出すんだけどね”とか、こちらは社長まで同行して礼を尽くしているのに、失礼な発言ばかり。とにかく面倒くさそうな相手で、一緒に仕事をしてもろくなことにならないと思い、会社に戻って全員で打ち合わせをした際に、

「このプレゼンは受けないほうがいい」

と話しました。顧問も私と同じ意見だったのですが、社長はなぜかやる気満々。というのも、その広告代理店の仕事はSPばかりで、駅貼りポスターなんてあんまりやったことがなかったから。

それでも、

「じゃあ、佐藤はやらなくていいよ」

といって、仕事から降ろしてもらいました。

そしてプレゼン当日。私は全然関わっていなかったのですが、商品メイン・モデル使用・イメージ・・・と5案くらい作っていて、それぞれ原寸(B0サイズ)で印刷したものを用意。かなり気合いを入れてプレゼンに望んでいました。

 

3時間後、プレゼンを終えて帰ってきたクリエイティブ・ディレクターをつかまえてどうだったのかを聞いたら

 

「どの案がイチ押しかって聞かれたので、商品メインの案をすすめたら、

“そんなにそのポスターを作りたいんだったら、うちの商品使わせてあげるから勝手に作っていいよ”

っていわれた」

 

だからいったのに。プレゼン降りて正解でした。

 

おかげでその広告代理店は、社長に嫌われてクビになりましたけど。

 

まとめ

プレゼンは、なんどやってもしんどい。

どんなに万全な準備をしても、終わる間では心休まることがない。

でも最近は、どんな仕事でもプレゼンなくして取れなくなっています。

それでも、どうしてもイヤな仕事は、断る勇気を持ちたいものです。

 

最悪クビになっちゃうし、なかなかできないんですけどね。

 

 

今日もプレゼンに追われているあなたにとって、ほんの少しでもヒント(と慰め)になれば幸いです。

 

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