特化するか。手広くやるか。コピーライターには2つの選択肢がある。
コピーライターがキャリアを積んでいく上で、大きな選択があります。
辞めるか、続けるか。ではなくて、
専門のコピーライターになるか。
オールラウンドのコピーライターになるか。
何年かコピーライターをやっていると、得意なジャンルができてきます。
それをキャリアとして次の会社に行くと、さらに専門性が強くなっていき、気がつくとそのジャンルに特化したコピーライターになっていく傾向があります。
例えば不動産に強いコピーライター。
徒歩1分=80m換算、1㎡=0.3025坪といった物件概要の整理から、新築マンションの現地調査から販売までのフロー、木造軸組工法と2×4工法の違い、耐震性能から最近ではZEH住宅まで、うんざりするくらい専門的な知識が必要になります。
宅建までとって専門性を高めているライターもいます。
他には、自動車・情報通信・金融・流通・医薬品・通販・求人・学校関係などなど。
また、松下電器、日立、ホンダ、ソニーといった、超大手企業に特化したコピーライターもいます。さすがに最近ではあまりいないと思いますが。
専門のコピーライターのメリットは、業界がなくならない限り、専門知識を武器に仕事を続けていくことができること。
ところがデメリットとして、業界や企業の動向にめちゃくちゃ左右されます。
つぶしがきかない。行き場がない。デザイナーなら、社内にデザイン部を持っている企業に入ってしまうという手があります。が、コピーライターを抱える一般企業は見たことがありません。
ということで、私はオールラウンドのコピーライターになるため、会社を変わるたびに、極力やったことのない仕事をしている会社を選んでいました。
はじめのうちはコピーライティングというスキルだけで勝負することになるので、結構しんどいです。それでも1年やっていれば、大抵の仕事に対応できるようになります。
メリットは、常に違う仕事をやっているので飽きません。
デメリットは、結局、広告業界自体の不景気にめちゃめちゃ左右されて、つぶしがきかない。行き場がない。
そうなんです。実はどっちを選んでも詰んでいるのです。
ということで、これからコピーライターを目指す人へ、もう一つの選択肢を用意しました。
コピーも書ける〇〇になる。
私はクリエイティブディレクターという立場で、企画や広告ディレクション(デザイナーとコピーライターに指示をする)ができるので、なんとか生き残っています。
なので、コピーも書けるプランナーだったり、コピーも書けるプロデューサーだったり、コピーも書けるwebディレクターだったり、食っていける肩書きをもうひとつ持つこと。
コピーの腕を磨きつつ、〝コピーライティング〟というスキルを活用できる、ふたつ目のスキルを選択しましょう。