2016年度センター試験、国語の問題、リカちゃん、やおい、ミニーマウス・・・注釈がイカれてた件。
2016年1月16日、センター試験1日目。
試験と試験の間が1時間という間延びしたタイムスケジュールで、
国語・英語・社会の試験が行われました。
試験を終えて帰ってきた長男に、様子を聞いたところ、
「国語の試験で、みんな笑ってた」
との返事が返って来ました。
第1問目の現代文、キャラ化する/される子どもたち―排除型社会における新たな人間像 (岩波ブックレット)からの出題。
まずその内容が、リカちゃん人形を例えに上げて、キャラの捉えられ方の変容を語っているのですが、対して必要でもない文脈で「やおい」に言及しています。
センター試験で「やおい」。しかも第1問の12行目、試験開始早々に登場。
みんな“なんでセンター試験で「やおい」?”と笑ってしまったそうです。
その後、ハローキティやミッフィー、メイド・カフェまでが登場。
作者が私と同じ年齢ということもありますが、オッサンが色々理屈を付けて、むりやり今の若者を理解しようとしているような内容で、“こんなしょうもない文章が問題になるんだぁ”と思ってしまいました。が、問題は一部分の抜粋なので、全文読めば共感できるところも出てくるかも知れません。買う気はしませんけれど。。。
さらにイカれているのが、本文に付けられた注釈。
リカちゃん
少女の姿形ををモチーフにした着せ替え人形。
リカちゃん知らないと、文章の論旨がわからないのですが・・・
ミニーマウス
企業が生み出したキャラクター商品で、ネズミの姿形をモチーフにしている。「ハローキティ」「ミッフィー」も同様のキャラクター商品として知られており、それぞれネコ、ウサギの姿形をモチーフにしている。
高校生相手に、「ミニーマウス」「ハローキティ」「ミッフィー」に注釈が必要なのか・・・しかも“ネズミの姿形をモチーフ”にって、身もフタもないいいようです。
〈ポストペット〉にも注釈がついていましたが、こちらは今の高校生にはわからないシロモノなので必要だと思います。
メイド・カフェ
メイドになりきった店員が、客を「主人」に見立てて給仕などのサービスを行う喫茶空間。
“見立てて”って、いってしまいました・・・
そして、婉曲に説明しすぎて、知らない人にはなんのことだかサッパリわからないのがこちら。
「やおい」などの二次創作
既存の作品を原作として派生的な物語を作り出すことを「二次創作」と呼ぶ。原作における男性同士の絆に注目し、その関係性を読みかえたり置きかえたりしたものなどを「やおい」と呼ぶことがある。
“男性同士の絆”を“読みかえたり置きかえたり”って、いくら直接的に表現できないからって遠回し過ぎ。〈やまなし、おちなし、いみなし〉という意味には言及なし。そもそも“「やおい」などの二次創作”は、中には作者公認のものもありますが、ほとんどが著作権侵害。だからコミケの隅っこの方のグレーゾーンで扱われているのに、センター試験というおおやけの印刷物で、“二次創作”として認めてしまって良いものなのか。
なんで、わざわざこんな扱いにくい文章を、問題文に選んだんだろう・・・
ちなみに、第2問の注釈もイカれています。
所帯
住居や生計をともにする者の集まり。
ズック
厚地で丈夫な布で作ったゴム底の靴。
外套
防寒、防雨用に着るコート類。
これ、注釈必要でしょうか。
そして、衝撃な注釈が最後に控えていました。
メンコ
厚地でできた円形または長方形の玩具。相手のものに打ち当てて裏返らせるなどして遊ぶ。
こんな日本語表現能力が低い人たちが作った国語の試験問題が、大学進学を決めるなんて・・・
また、問題用紙の途中に(下書き用紙)が出てきました。
ページネーションの都合で、1ページ余ったようですが、試験はマークシート。下書きって、なに書くんだ?
さらに後ろに意味不明な白紙のページが6枚も。。。紙のムダ。
突っ込み処満載の試験だったようです。
ちなみに長男は、東工大へ進学しました。