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シン・ゴジラは、ゴジラが主役。出演者328人は全員狂言まわし。

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主役はあくまでゴジラ。人間はすべて脇役です。

いつまでたっても姿を表さず、ためて、ためて、ためて、最後にドカーン!

と暴れまくるのが、ジョーズにも通じる怪獣モノの楽しみ方。

ハリウッドでリメイクされた『GODZILLA/ゴジラ』にしても、せっかく3Dで見たのに、ほとんど渡辺謙が飛び出すのを見せられるハメに。

それでも、最後の最後に暴れまくるゴジラの姿にカタルシスを感じられるわけです。

 

で、シンゴジラ。

展開が早いです。

セリフは早回しでとどまるところを知らず、常に誰かが喋っている。

ニコ動やテレビ中継の画面を模した演出で、文字情報も多い。

出演者が次々にセリフを繋いでいって、ストーリーが進んでいく。

とはいっても、ネタばれになるので多くは語りませんが、ストーリーは初代ゴジラとだいたい同じ。

ゴジラが現れ、街をめちゃめちゃにしていく。

違うのはその退治の仕方だけ。

基本はゴジラの造形や、街を壊すシーンや、戦闘シーンを楽しめるように作られています。

官僚やら自衛隊やら憲法やら国際政治やら、いろんな問題提起をしているようでいて、実際には人間のセリフのやり取りは非常に薄っぺらく、全員がストーリーを進めるだけの狂言回し。

誰一人として人間味あふれる感動の演技をするわけでなく、淡々とセリフを繋いでいく。まともに人間を描こうとしていません。

そもそも滑舌悪くて、何言ってるのかわからくても、お構いなしにストーリーが進んでいきます。

 

主役はあくまでゴジラなのです。

 

シン・ゴジラを演じているのが狂言師の野村萬斎というのも象徴的。

 

 

それにしても、石原さとみの変な演技には、めちゃくちゃ気を削がれます。

 

初代ゴジラへのリスペクト×エヴァンゲリオン。

ゴジラ映画としてみれば、きっちりゴジラ。

リ・イマジネーション(基本設定だけを残した新たな作品)版です。

それだけでも楽しめる。

で、エヴァンゲリオンを見たことがある人は、さまざまなシーンや、設定や、音楽に、エヴァンゲリオンを感じることができます。

ゴジラは、使徒です。

この融合が、ゴジラファン & エヴァンゲリオンファンにとって、たまらないことになっています。

そうきたか!

という展開も随所にみられます。

ネタバレになるので書きませんが、庵野秀明はこれがやりたかったんだろうなぁ、というのが、見ていて伝わってきました。

 

シン・ゴジラ、一見の価値ありです。

私は80年代以降の日本映画が大嫌いなので、レンタルでもめったに見ることがありません。

よーく考えてみたら、最後に劇場で邦画を見たのは、1992年。木村一八主演の「いつかギラギラする日」でした。

そんな私が世紀をまたいで久々に見た邦画「シン・ゴジラ」ですが、ハリウッド版の『GODZILLA/ゴジラ』より、数段面白かったです。

こういう映画って、そもそもストーリーなんてどうでもよくて、アクションシーンのアイデア勝負。

ラストに、今まで見たことのないとんでもない飛び道具を使ってきます。

これはすごい。

庵野秀明、天才です。

ちょっとおおげさかもしれませんが。

後は、エンドロールに出てきたキャストがどこに出演していたかを見つけるのを楽しむ人も出てきそう。

私は日本の俳優全然わからないので、主役を演じた俳優の名前すら知りません。

前田敦子が出てたようですが、全く気づきませんでした。

今後、ネタバレしていく中で、小ネタもいっぱい出てくると思います。

 

ゴジラを見てオモシロイと思ったことがある人へ。

エヴァンゲリオンを見てオモシロイと思ったことがある人へ。

 

ぜひ劇場へ足を運ぶことをおすすめします。

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