山手町44番地。愛の奇跡が起こる、カトリック山手教会で結婚式を挙げよう。

港の見える丘公園から、山手通りを外人墓地方面へ。
元町公園を越え、フェリス女学院高校の前を通り、歩くこと約10分、山手町44番地。

薄緑色の尖塔の美しい建物、カトリック山手教会。

私はカトリック教徒ではありませんが、数件隣の洋館で仕事をしていたこともあって、山手通りから望むカトリック山手教会は、横浜の中でも大好きな風景のひとつです。

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カトリック山手教会での奇跡

そんなカトリック山手教会にて、私が25歳の春、不思議な出来事がありました。

相鉄線西横浜駅のそば、久保町商店街の裏に住んでいた頃。
仕事を終えて帰宅してから、付き合ってまだ間もない彼女と待ち合わせをしていた相生町のバーへ車で会いにいったときのこと。

国道1号線で横浜方面へ、浜松町の交差点を右折して平戸桜木道路を越え、阪東橋を左折、国道16号線を通って、彼女が待つバーに車で向かっている途中、ふっと花屋が目に入ります。

そこで生まれて初めて彼女に花を贈りたいと思いました。
花屋の前に車を止め、バラの花束を買い、彼女に気づかれないよう車のトランクに。
そして彼女が待つバーへ。

ところがいざ花束を渡すとなると、誕生日でも記念日でも何でもない日なだけに、我ながらキザ過ぎて、かなり照れくさい。きっかけもなかなかつかめません。

結局その日は渡しそびれ、バラの花束はトランクの中に入れたまま放置。

そして3日後の深夜、また車で彼女に会いに行き、曙町のバーで飲んでいると、敬虔なクリスチャンだった彼女が突然、山手のカトリック教会に行きたいといい出します。

「深夜だから開いてないでしょう」というと、「外にマリア様の像があるので、お祈りをしたい」といいます。

車で16号から長者町通りを右折して山手通りへ出れば近いのですが、ヨコハマでも有数の心霊スポット「打越橋」の下を通るのはちょっと恐かったので、JRを超えて横浜スタジアムから中華街を抜け、元町の端から港の見える丘公園の前の交差点を右折して、外人墓地を右手に、山手十番館を左手に見ながら、フェリス女学院の前にあるカトリック山手教会の前に車を横付けします。

「マリア様に花を持って来ればよかった」と彼女。
「でも、花屋さんもうやってなかったもんね」

「ちょっと待って」

もうすっかり枯れてしまっただろうと思ったのですが、トランクを開けてみると、バラの花束は、まだ鮮やかに咲いていました。
彼女にバラの花束を渡します。
「なんで持ってるの?」

「プレゼントしようと思って」

彼女は花束を受け取ると、マリア様の像に捧げ、指を組んで祈りはじめました。
僕はなんにも信仰を持っていませんでしたが、その後ろ姿を見ながら、きっと二人の出会いは奇跡で、神の祝福を受けていると確信しました。

「何を祈ってるの?」 彼女に訪ねます。
「ビザが切れてフィリピンに帰らなくちゃいけないので、日本にもう一度来られますようにって」。

一週間後、彼女はフィリピンに帰り、二度と僕の元へは帰ってきませんでした。

 

そして2年後。
僕は別の女性とカトリック山手教会で結婚式を挙げました。

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