グラフィック・デザイナーがスキルアップするための5つのポイント。

音楽家にとって絶対音感が武器となるように、グラフィックデザイナーにもそれなりの資質が必要です。

私の師の一人であるアートディレクターは、物心ついたころから、飛行機や車の絵を斜俯瞰で書いていたそうです。

本来ならば誰でも努力してなれる職業ではないのですが、結構憧れだけでなってしまったグラフィックデザイナーも少なくなく(というよりほとんどそれ)、おかげでスキルはピンキリです。

使えるヤツもいれば、使えないヤツもいる。

本記事では、私がクリエイティブディレクターとして見てきた、使えないグラフィックデザイナーがやりがち、おちいりがちな5つのマイナスポイントを紹介します。

ミスが多い

デザイナーだけしかいないプロダクションでは、校正はデザイナーの仕事のひとつ。
コピーライターがいるプロダクションでは、校正はコピーライターに任せるので、校正ミスはコピーライターの問題。

以前の記事に書いたように、コピーライターとデザイナーはセットで仕事をするわけだから、デザイナーが校正をする必要はないのですが、それにしてもデザイナーはミスが多い。

クライアントから修正が入ると、デザイナーがデータを修正して、コピーライターが校正するという流れになるのですが、クライアントからの修正を、常に一発でクリアできるデザイナーを、私は見たことがありません。

さらに、修正の際に余計なミスを追加で投入してくるデザイナーも少なくありません。

例えば、ひと文字修正するだけなのに、開くイラストレーターのバージョンが違っていて、他の文字が化けてしまっているのに気がつかなかったり、写真差し替えの際にRGB(印刷には不向きな形式)のまま貼り付けてしまったり、再校戻しを修正する際に、初校のデータを使ってしまったり。

オペレーションすらまともにできない、オペレーター以下のデザイナーって山ほどいます。

少なくても、余計な仕事を増やすミスだけは絶対にしないのが、まともなデザイナーへの第一歩です。

時間の感覚がない

代理店仕事をしていると、

早くて終電、徹夜がデフォルト

が当たり前になってしまいます。

世間でよくいう、効率の良い時間活用術なんて、広告制作の現場ではまったく通用しません。

アイデアを出すということにおいては、スケジュール通りにいかないのは普通なのですが、

どうせ、終電だから

という意識が働いて、そうでない仕事まで、いつまでたっても終わらない。
だからといって、かけた時間ほどクオリティが上がるわけではない。
ダラダラと仕事に流されている。

そしてブレストの際に、

忙しいからアイデア出す時間がありませんでした。

といって片手間のサムネイルを出してくる。

完全に本末転倒です。

“アイデアを出す”時間を確保するためのタイムマネージメントができるようにしなければ、いつまでたってもオペレーターに毛が生えたようなデザイナーから抜け出すことはできません。

何にも揃っていない

文字と文字、写真と写真のアキを揃える。

文字の天地・左右を揃える。

フォントの種類を揃える。

揃えることは、デザイナーの基本のひとつ。

レイアウトのルールに合わせて、要素を配置していく。

ルールとセンスの狭間で、どこまで新しく、美しいデザインに仕上げられるかが、デザイナーの腕の、ひとつの見せどころ。

ところが、いじっているうちに揃っていたものがどんどんずれていき、結局レイアウトが汚れていく。
ただただバランスが悪いレイアウトにしか見えない。

イラストレーターのデータを見ると、ガイドラインがたくさん引いてあるのに、どこにも基準がなかったり、1:1.618の黄金比だといいながら、まったく美しくないデザインに仕上げてくるデザイナーがたくさんいます。

基本はキレイに揃える。

揃えることすらできないのに、自分の目だけでバランスを取ろうとしてもキレイに組み上がるわけがありません。

いきなりmacに向かう

いきなりmacに向かってデザインしはじめる。

そんなデザイナーが、どれだけ多いことか。

何度いっても、できないデザイナーは、macに向かっていきなりデザインをしはじめます。

なんて器用なことを、やろうとしているのだろう。

全体を見ないでデザインしはじめて、つじつまが合うわけがないのに。

結局途中で行き詰まり、悩みはじめ、手が止まり、時間内に上がってきません。

まずはレイアウトを紙に書くこと。
レイアウトを決めて、はじめてmacに向かう。

これをやらないデザイナーが本当に多い。

絵を描くときに、隅っこから塗りはじめるようなもの。

それでいいデザインに、なるわけがありません。

コピーライターよりコピーがうまい

デザイナーがレイアウトを組むときに、アタリ(ダミー)で適当に入れていたコピーが、ものすごく良いことがあります。
ラフを渡されるときに、

そんな感じのコピーを考えて。

と言われ、それ以上のコピーを書く自信がないということが、5年に一度くらいあります。
とりあえず代案を書くには書くけれど、仕方がないのでそのまま通します。

コピーライターの立場がありません。

でも、たまたまとはいえ、そんなコピーを書くことができるデザイナーと、私は仕事がしたい。

コピーライターの願い

ひとつでも当てはまっちゃったグラフィックデザイナーは、とっととクリアしてもらって、1日も早く使えるデザイナーにスキルアップしてください。

クリエイティブディレクターとして、コピーライターとして、いいデザイナーと組んで仕事をすることが、いい仕事をするたったひとつの方法です。

いいデザイナーが一人でも増えることを心から望んでいます。

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