コピーライターからクリエイティブディレクターへ。中間管理職講座。

コピーライターを28年もやっていると、いつの間にかクリエイティブディレクターという肩書きに職業ランクがアップします。

なんだか偉そうな肩書きなのですが、会社の中では中間管理職

広告の勉強はしてきましたが、管理職の勉強はしていませんでした。

そこで、半年にわたって中間管理職セミナーに参加。

リーダーシップを発揮していく上で、なにを基準に行動すれば良いのか。

人と人との間に立ったときにどう振る舞えばよいのか。

管理職に必要な知識と考え方と共に、部下のモチベーションの高め方まで、セミナーで学んだことを解説していきたいと思います。

起業をしようと思っている方も、人を雇うようになった時に、知っているとプラスになることも多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

Contents

第1章 管理者とは何か

管理職って、できるだけことを穏便に解決するための上と下とのクッションのようなもの…
なんていう風に思っていませんか?
実際には、会社の業績を伸ばすのも縮小させるのも管理職次第。会社の命運を握るキーマンなのです。

そして管理者とは、

経営者から見た管理者

部下から見た管理者

自分自身から見た管理者

それぞれの視点ごとに、異なる存在意義を持っているのです。

1. 経営者から見た管理者

経営者にとって管理者とは、自分が直接指示することができないことを、自分に成り代わって遂行する、自分の分身です。そして、そのスキルによって3つのレベルに分けられます。

レベル1

経営者の指示をそのまま伝えるだけのメッセンジャー

レベル2

経営者の指示を、わかりやすく部下に伝える広報マン

レベル3

経営者からの指示がなくても代わりに処理できる影武者

管理者の能力は、経営者の代わりがどれだけできるかということで決まります。
さらにそれだけでなく、経営者の指示を、より円滑に遂行できるように部下に伝える能力が求められます。
自分が今、どのレベルにいるのかを把握し、1から3へとレベルを高めていくことが必要です。

2. 部下から見た管理者

管理者は、部下にとって仕事と生活、両面において、指導者であり、理解者であることが必要です。
仕事だけの付き合いだからとドライに割り切ってしまうと、人と人とのつながりが希薄になり、部下を一人前に育て上げるのは困難を極めます。
部下があなたを信頼し、頼りにし、常に正しい行動を取れるようにするために、指導・教育とともに、部下を理解することが大切なポイントになります。

3. 自分自身から見た管理者像

「管理者なんて、上と下との板挟みで、いいことなんてない。」

といった声が良く聞かれます。
人によって様々な管理者像がありますが、自分の人生を考えた上で、先のことを考えるとすると、管理者とは事業家に向けての準備期間といえるでしょう。
経営者の考え方を身につけ、部下のコントロールの仕方を身につける。その先には、自分の考えで事業を推進する、起業家、事業家への道が開かれているのです。

第2章 管理者の心構え

管理者に必要なスキルは、経営や管理に対するものだけではありません。
管理者として、上司や部下に、どのような態度や姿勢で臨むべきかということを常に意識して接する必要があります。

1. 経営者への態度

経営者にとって価値のある管理職とは、経営者がどんな立場におかれているのかを理解した上で、経営者の立場で物事を考えることのできる人です。
そのためには、2つの行動が必要になります。

1)経営者の感情と同期する

経営者の思いを真剣に考え、徹底的に感情移入して、その指示の一つ一つに、なぜそういう判断をしたのか、ということにまで考えを向け、経営者の思いに応える行動を取るように心がけます。
そのためには、経営者の生き方までを知ることが大切です。
経営者自身がどのような人生を歩んできたのかということを理解することで、より深く感情移入をすることができるようになります。

2) 部下との信頼関係を築く

kanri揺るぎない信頼関係がなければ、指導をしても、教育をしても、誰も聞いてくれません。

部下が何でも気軽に相談してくれる暖かい人間関係を構築することから、信頼は生まれ
てきます。
部下に深く関心を持ち、その家庭、家族にまで関心を持ち、部下の人間性、育ってきた生活環境を知り、できるだけ多くの時間を共に過ごす中で、部下の成長と、素晴らしい人生を願い、思いやりをもって接する。
部下に対する暖かい思いの一つ一つが、部下の心を開き、管理者である自分に感情移入してくれて、力になろうと味方になってくれるのです。

 

第3章 あるべき管理者像

1)
あなたにとって、上司がどんな人だったら良いか。どんなことをしてくれたら良いか。
思いつく限り、書き出してみてください。

〈例〉
責任感のある人
なんでも相談に乗ってくれる人
サポートしてくれる人
無理を言わない人
共通の目標を持っている人
実行力のある人
ウソを付かない人
勉強家な人

2)
あなたにとって、部下がどんな人だったら良いか。
どんなことをしてくれたら良いか。
思いつく限り、書き出してみてください。

〈例〉
素直な人
上昇志向のある人
気が利く人
きちんと報告をしてくれる人
社交性のある人
スケジュールを守る人
頼んだことを断らない人
周りが見える人

そのすべてを備えているのが、理想の管理者像です。

あなたには、備わっていますか?

第4章 管理〈Control〉とはなにか

cf403582754608d310697be4c66144a0一般的に管理とはPLAN〈計画〉 DO〈実行〉 SEE〈見直し〉のサイクルを繰り返すことが基本となります。

あたりまえのことですが、漫然と作業に取り組むだけでは、管理していることにはなりません。

 

 

具体的なプロセス

PLAN

仕事の達成目標を決める

目標に到達するための小目標(マイルストーン)を決める

大目標を設定し、さらにそこに到達するステップとしていくつかの小目標を定め、それを一つひとつクリアしていくためのPLAN〈計画〉をたてます。

目標達成のための方法を具体的に定める

 

DO

実行する

目標に対して効率よく動くために、組織・予算・スケジュールを決め、さらに仕事に対して目標達成まで努力を続けるという動機付けを行い、実際の行動を開始します。

 

SEE

仕事が計画通りに進んでいるかを確認する

計画し、実施し、その通りに進行しているかどうかをチェック。
実際にやってみてはじめて気付けることもあるはずで、計画通りに進まず、成果が上がっていないときは現実に即して計画を練り直し、あらためて実践に移します。
このPLAN・DO・SEE のサイクルを繰り返し、少しずつ上昇(スパイラルアップ)していくことで確実に目標に近づいていくことができるのです。

100:1:1 の法則
P・D・S の重要性を比較すると、100:1:1 の割合で圧倒的にPLAN が重要です。
良いPLAN とは、実行しやすく、成果が上がりやすいもの。
有効な管理活動を進めるためには、常にPLAN を見直すことが必要です。

第5章 経営管理〈Management〉とはなにか

大きな組織の中で仕事を円滑に進めるには、仕事の整合性や、進み方を合わせていくための、部署間でのコミュニケーションが重要です。
このように、規模が拡大するとPLAN・DO・SEE のサイクルだけでは管理しきれなくなります。
そこで、さらに全体を見ながら管理できるようにするため、経営管理〈Management〉の構造は下図のようになります。

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組織化〈ORGANIZE〉/指示〈DIRECT〉がDO にあたり、統制〈CONTROL〉がSEE に対応します。

PLAN・DO・SEE のサイクルとの大きな違いは、

全体を見渡しながら、それぞれのステージで調整〈COODINATE〉をするということ。

経営管理者にとって、他部署や上司との調整〈COODINATE〉は、必要不可欠な役割となっているのです。

 

計画〈PLAN〉
組織化〈ORGANIZE〉
指示〈DIRECT〉
調整〈COODINATE〉
統制〈CONTROL〉

を正確にこなしていくためには、

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を常に意識して管理していく必要があります。

Who :誰が?
Where :場所・部署は?
When :いつ? いつまでに?
Why :目的は?
What :対象は?
How :方法は?

その中でもまずは、Why〈目的〉What〈対象〉を明確にする必要があります。
すべてが必要ではない場合もありますが経営管理をする際には、6つの要件をしっかりと把握しておきましょう。

第6章 部下が望んでいることを知る

管理者は、長期にわたって部下のやる気を持続させる必要があります。

アメとムチを使いわける方法では、一定の効果を得ることはできるものの、あるレベルを超えると効果が薄まってしまいます。

また、1回の動機付けだけでは、あまり長い時間、やる気を持続させることはできません。
部下の物の考え方に合わせた管理を行い、共感を得ることで、やる気を持続させる。
ということが、管理者には必要になるのです。
部下の物の考え方に合わせた管理を行うためには、部下がなにを考えているのか、どのような欲求を持っているのかを知ることが必要になります。

この命題を解き明かすための理論として、マズローの欲求5段階説という学説があります。

マズローの欲求5段階説によると、人間には階層的に存在する、5つの欲求があるとしています。

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生存の欲求
食事、水、睡眠、肉体に関する欲求など

安全の欲求
身の安全、健康維持、財産維持、雇用の安定など

社会的欲求
集団の一部に所属したい、他人と関わりたいという欲求

自己顕示の欲求
自分の価値を認められたい、尊敬されたいという欲求

自己実現の欲求
自分自身の能力を発揮したいという欲求

 

あるレベルの欲求が満たされると、次の欲求を求めて行動を取るようになります。
自分を含め、周りにいる人たちは欲求のどの段階にいるのかということを考えてみましょう。

大部分の人は、「社会的欲求」「自己顕示の欲求」の間を行ったり来たりしながら、「自己実現の欲求」にたどり着けず、達成感を得ることのないままに一生が終わってしまいます。

いかにして自己実現の満足感を達成させるのか。

そのためにはまずどの欲求を満たすのか。

部下一人ひとりの欲求を見極め、その欲求を満たすことを目的として部下のやる気を引き出すことを管理者は常に考えていかなければならないのです。

第7章 部下のやる気を生む方法

部下のやる気を生むためには、2つの方法が考えられます。

1 不満や不快なことに対する改善

例えば、仕事の環境、給料、対人関係、会社方針といった、仕事に対する不満を解消する

2 精神的な自己実現に対する充足

例えば、仕事での権限を与える、責任ある仕事を任せる、昇進させるといった、仕事に対する満足感を高める

ところが、1 不満や不快なことに対する改善を図っても、仕事への不満は減りますが、満足度は上がりません。それほどやる気を生み出すことがないのです。
2 精神的な自己実現に対する充足を与えることによってはじめて、満足感が生まれ、モチベーションが高まり、仕事に対する意欲や情熱を引き出すことができるのです。
しかも、精神的な自己実現に対する充足が低くても、それが仕事への不満に繋がることはありません。

物理的な不満を解消するよりも、精神的な成長・自己実現の場を与えることが、唯一、部下のやる気を生む方法なのです。

第8章 リーダーシップの発揮の仕方

部下の要求を知り、それを分析し、部下の成長を促す仕事を通じてやる気を引き出す。
そこではじめて、部下を正しい方向へ導くための、強いリーダーシップを発揮する必要が生まれます。

リーダーとは、人の上に立つ資質であると考えられていますが、それだけではなく、部下に合わせた方法でアプローチすることで、はじめて効果的なリーダーシップを発揮することができます。

トーマス・F・ストローは、リーダーシップのアプローチ方法に、5つの型があるとしています。

トーマス・F・ストロー H理論

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独裁的リーダーシップ
部下が未熟な新人や、緊急時に効果的。

父権的リーダーシップ
部下が未熟で、不満や悩みを抱えているときに効果的。

対話的リーダーシップ
チームワークを強化したい時に効果的。

民主的リーダーシップ
部下に充分な見識がある時に効果的。

放任的リーダーシップ
部下の実務遂行能力が高い時に効果的。

部下のレベル・性格・気質に応じて、リーダーシップのスタイルを使い分けることで、強力なリーダーシップを発揮し、部下を率いていくことができるようになるのです。

第9章 組織とはなにか

『組織とは、企業目的を達成するために、企業構成員を効果的かつ効率的に共同させるための手段である(アーネスト・ディール/米国の経営学者)』

組織とは、人の集まりです。
しかし、それは単なる集まりではありません。
企業にとって組織とは何かと考えてみると答えはひとつ

『組織とは手段である』

という結論に達します。
組織とは、企業の目的を達成するために、取り巻く経営環境や企業戦略の変化に応じて、常に効果的に運用できるように、流動的に編成されされていくものなのです。
部下、そして管理者を含めた組織の構成員が、目的に対して機能しているかをチェックし、目的を達成するために必要とあれば、組織を柔軟に再編成することも、管理者の重要な役割なのです。

第10章 組織を活性化させるための原則

組織を運営し、活性化させていくためには、管理者として守るべき原則〈ルール〉があります。
この原則から外れた行為をすることで、組織の機能が損なわれ、管理者としての責任が果たせなくなってしまいます。
組織を活性化し、目的を達成させるために、原則を満たした組織運営が行われているかどうかを、常に確認する必要があります。

原則1 指令系統統一の原則

組織の秩序を守るために、直接の指示・命令は組織系統通りにおこなうようにします。
組織を構成する人、1人に対し、命令権者は常に同じ1人の管理者であることが大切なポイント。
当然のことではありますが、管理者が複数の部下に指示を出すことは問題ありません。

1  指示を出す際にはどんな場合でも、A→B→C というルートを通るようにします。

A からC へ飛び越しての指示は、できるだけしないようにしましょう。

2 A からC へ飛び越しをして指示を出した場合には速やかに事後報告をA からB へ伝えます。
これを怠ると、B からA への不信感や疎外感が生まれると共に、C にとっては、B・A、どちらの指示を優先すればよいか分からなくなってしまいます。
そういったところから、組織の秩序は壊れていってしまうのです。

原則2 統制限界の原則

1 人の管理者が管理できる部下の数には限界があります。
当然限界を超えると適切な管理ができなくなります。
仕事の内容や管理者のスキルによってその限界値は変わってきますが、適切な人数を把握し、それを超えないようにすることも、管理する上での重要なポイントです。

原則3 責任明確化の原則

部下それぞれの職務範囲と達成水準をきちんと決めておかないと、譲り合いをして職務が進まなかったり、
主張ばかりでトラブルを起こしたり、職務に支障をきたすことになります。
部下それぞれに、能力に見合った責任を与えると共に、それと同等の権限を与えます。
権限とは、人・物・情報といった会社の資源を使う権利や、失敗を恐れずにチャレンジする権利が含まれます。
部下に責任を課し、権限を与えたからといって、管理者の責任はなくなるものではありません。
部下が失敗しないように教え、見守り、サポートし、職務を全うできるように導くことが求められます。

原則4 職務割り当ての原則

この原則は、3 つの基本原則から成り立っています。

1 整合性

部下に割り当てる職務は、それぞれが本来の企業目的に対して、整合性の取れたものでなければいけません。部下が職務に疑問を持ち始めたら、組織は上手く運営できません。

2 能力向上

部下に割り当てる職務は、個々の能力向上を考慮に入れて行う必要があります。一人ひとりのスキルが上がることで、組織は成長していきます。

3 重要性

部下に割り当てる職務は、不必要に他の部下と重なり合わないようにします。
他の人と同じことをさせられることで、ムダなライバル意識が生まれることやモチベーションの低下を防ぎましょう。

第11章 責任と権限

すべて組織に所属する人間には、与えられた仕事を果たす責任を担います。
そこで、その責任を果たすために、必要な力として権限が与えられます。
責任に対して権限を用い、どんな結果を生み出したのか。
当初の責任に対しての到達点に応じて、どの程度達成できたのかという責任が問われます。
これを結果責任といいます。
責任・権限・結果責任はそれぞれ対応し、課した責任、使った権限に対して、結果責任の追求をおこない、それを評価することで、部下それぞれのモチベーションを高めていきます。

1)責任

第2章:原則3 にあるように、責任とは上司が提示した、職務範囲と達成水準のことになります。

2)権限

部下に対して、期待している目標を達成させるためには、それに見合った権限×必要な意志決定の自由を与える
必要があります。
あえて危険を冒す権限を保障し、小さな誤りに対して容認する姿勢を示し、許容範囲内にて、部下を叱ったり、
批判をすることは避けなければいけません。

3)結果責任

大きなプロジェクトを任せた部下が失敗して、多大な損害を会社に与えた際に、部下はその損害を会社に賠償する必要はあるのでしょうか。

もしも賠償しなければいけないとしても、会社に与えた損害に対する金額を払うことは不可能です。
真の意味において、部下は結果責任を取ることができません。
部下が失敗を犯したときに、組織が求める責任とは、失敗しないように一生懸命仕事に励むことによって、組織に対して継続的に貢献することなのです。

第12章 叱る動機づけ、褒める動機づけ

管理者は、職務を円滑に進行させるために、組織の力を最大限に引き出さなければいけません。
そのためには、個々の能力に合わせた動機づけをすることで、その能力を最大限に引き出す必要があります。
適切な指導やサポートも重要ですが、最も効果的な動機づけの方法は、「叱る」と「褒める」ことにあります。

「叱る」コントロール

「叱る」と「怒る」は、全く違う行為です。

「怒る」とは、感情で相手を非難する状態のことです。
部下としては、怒られたことに対する不快感だけが残り、萎縮してしまうことで業務に身が入らなくなります。
さらに、怒られることを回避するために正しい報告をしなくなり、その結果、正しい指導ができないがために、目標への到達も遠のいてしまいます。

「叱る」とは、理性を持って相手の問題点を分析し、指摘して、相手の考え方や行動を正しい方向へと導くこと。
部下に対して、今よりも成長して欲しいという愛情を持って、相手のためにする行為なのです。

正しい叱り方

部下が間違った行動をした瞬間に理性を持ってその問題点を分析し部下のために愛情を持って指摘すること。
自分の怒りのはけ口としてではなく、部下がその指摘を、前向きに受け止め、正しい方向へ進み始めることが一番大切なことなのです。

「褒める」コントロール

褒めることは、部下にとって強い動機づけとなる一方、管理者にとっては非常に難しい行為です。
部下の行動が本当に正しいのかということを、あらゆる方面から評価しなければならない上に、正しい評価をしないことによって、部下からの信頼を得ることができなくなり、やる気を失わせてしまいます。

判断が難しいときは、「褒める」の代わりに「感謝する」ことによって、「褒める」と同等の作用を得ることができます。

部下に頼んだ仕事をやり遂げたときに感謝をする。
あえて部下にやり遂げられる課題を与えることで、その状況を意図的に作ることも容易です。
感謝するシーンを作ることによって、積極的に部下の動機づけを行うことができるようになります。

〈部下の動機づけ:5つのポイント〉

1 「叱る」「褒める」「感謝する」をコントロールする

2 仕事での権限を与える、責任ある仕事を任せる、昇進させるといった、仕事に対する満足感を高める。
(第3回 第2章 部下のやる気を生む方法参照)

3 目的、価値、目標を明確に伝え、理解させる

4 「頑張ればできそうだ」というところまで導く

5 情熱と忍耐を持って部下に関心を持ち続ける

第13章 叱られる、褒められる

管理者は、部下を叱り、褒める立場にあると共に、上司にとっては部下であり、叱られ、褒められる立場にあります。
その際に、上司の信条を理解しようと努めることが、あなたの管理能力を高めるポイントとなります。

正しい叱られ方

叱ることとは、部下が間違った行動をした瞬間に理性を持ってその問題点を分析し部下のために愛情を持って指摘することです。

上司も同じ思いであなたに接していることを理解し、上司の心情に応えるように行動する必要があります。

・上司の指摘を受け入れる

あなたの考え方・行動が適切ではない時に、それを気付かせようしているのだということを理解し、率直に受け入れましょう。

・上司の愛情を感じる

あなたに対して、成長を促すために、愛情を持って叱るのだということを受け止め、上司の期待に添えるような努力をしましょう。

・行動を変える

指摘されたことは、早急に改善する必要があります。
今までと同じ行動を取っていたのでは、改善は見込めません。
同じ間違いを繰り返さないよう、早急に行動を正しましょう。
叱られるということは、ネガティブに捉えられがちですが、自分の成長を促すチャンスとして、行動を改善する努力を心がけましょう。

正しい褒められ方

あなたが上司に褒められたということは、あなたが認められたことに他ならず、大きな自信と誇りを持つべきことですが、驕慢にならないように気を付ける必要があります。
そして、その状態を継続させることで、褒めた上司に報いることが大切です。
感謝されたら、謙虚な気持ちでそれを受け入れ、上司に対して感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
上司が叱ったり、褒めたり、感謝するということは、あなたに関心を持ち、さらなる成長を遂げて欲しいと
思っていることの証です。

その心情に応えられるよう、一層の精進を心がけるように行動することが、一人前の管理者、さらには経営者への道となります。

〈好ましい組織を作るための5つの動機づけポイント〉

1 同一の危機感

2 価値観の共有

3 自信と信頼の醸成

4 互いへの感謝の気持ち

5 難易度の高い仕事への要求

第14章 動機づけの先にある管理職として必要な5つの能力

管理者にとっても、動機づけの先にはあるべき姿があります。
どういう能力や姿勢をクリアすれば、管理職として充分なのでしょうか。
以下に挙げる5つの能力が、管理者にとって欠くべからざる能力となります。

自らに課した高い要求水準

企業目標を達成するために、自分の人生をより充実したものにするために、常に貪欲なまでの達成意識、上昇志向を持っている必要があります。

論理的思考力・判断力・説得力

企業の目標、人生の目標に向かって行くには、努力や根性といった精神論だけなく、確かな思考力・判断力・説得力が必要となります。

十分なコミュニケーション能力

報・連・相まで、部下と、上司との十分なコミュニケーションをとり続けることが大切です。

思いやりの精神

葉面的なコミュニケーションだけでなく、思いやりを持って接することで、真に心を通わせることが必要です。

強い使命感

上記の4 項目を自らに課すためには、その根幹に強い使命感を持っている必要があります。
部下に対する指示・命令を、目的意識がぶれることなく発せられることが、管理者の欠くべからざる能力となります。

第15章 企業経営の目的とは

企業経営の目的とは何か。

その答えは仕事によって変わってくると思われるかも知れません。

工場で働いている人は、高品質な商品を生産することだと答え、商品を販売する店員は、お客さまに物を売ることだと答え、システムエンジニアは、より効率の良いシステムを構築することだと答えることでしょう。

また、企業の中には、経理・総務・人事といった多くの仕事があり、それぞれに役割が異なります。
給料を間違いなく支払ったり、社内が円滑に機能するように調整したり、新入社員を募集したりといった、自分に与えられた業務が目的であると考えがちです。
でも、いくら給料を正確に払ったところで、社員を採用したところで、企業の成長は望めません。

企業経営の目的は『顧客の創造』にあります。

工場でいくら高品質な商品を作ったところで、それだけでは企業経営はよくなりません。
その商品をお客さまが買ってくれることによって、はじめて企業は収益を上げることができるのです。

では、商品を売れば、それでよいのでしょうか。
確かに商品を売れば利益につながりますが、それで満足してもらえなければ、購入してくれたお客さまは離れていってしまいます。

目先の利益にとらわれてしまうと、かえってお客さまは離れていってしまいます。
単なる商品の生産や販売だけでは、『顧客の創造』はできません。

次々と新しい商品を提供し、その商品を使うことによって満足感を与え、商品を買い続けてもらうこと。
自社の製品を選んで、指名買いしてくれるファン層となる顧客を獲得していくことが、企業経営の目的なのです。

 

〈ケーススタディ〉

イヌイットと冷蔵庫

家電メーカーがアラスカに住むイヌイットに冷蔵庫を売ろうとしました。
ところが、外に置いておくだけで凍ってしまう氷点下の街で暮らしている彼らに、食物を冷やす必要はなく、冷蔵庫が売れるはずがありません。
あるセールスマンは、イヌイットをなんとかして顧客にしようと考えました。
アラスカでは、外に置いておくだけでなんでも凍ってしまいます。
そこで、食物を凍らさずに収納できる“凍結防止庫”として売ることを思いつき、新たな顧客の顧客の創造に成功しました。

南の島に必要ないもの

ある南の島へ靴を売り込みにいったセールスマンは、裸足で歩く現地人たちを見ていいました。
「この島では、靴を履く習慣がないから、靴は売れない。」
ところがもう1人のセールスマンは、
「この島は、誰も靴を履いていない。靴の必要性を伝えれば、すべての人に靴を履かせることができる。」
と、全く競合のいない新しいマーケットとして開拓を始めました。

 

すべてがケーススタディのように、ことが運ぶわけではありません。
それでも、なんとかして顧客を創造していこうと考えることが、企業の成長にとって一番重要なことなのです。

第16章 顧客創造のために

管理者ができること

企業にいる限り、管理職といえど、お客さまを作り出すことを最終目的として活動する必要があります。
セールスマンは、上司から販売ノルマを与えられます。
すると、多くのセールスマンは、ノルマを達成することだけを目的として、お客さまの都合を無視した販売をしはじめます。
ノルマを達成しなければ、上司から怒られるし、給料も上がりません。
ところが、そんな販売の仕方をしていたら、どんどんお客さまは離れていってしまいます。

もちろん経営を考えたら、ノルマは達成する必要があります。
同時に、お客さまに喜んでもらえるような仕事をしなければいけません。
ノルマだけを追ってしまったら、『顧客の創造』どころか、おおいなる顧客の喪失につながります。
お客さまに喜んでいただけるサービスを続けることでしか、恒久的な利益は望めないのです。
工場で働く人たちは、コストダウン、効率化を要求されます。
そこで品質まで損なってしまうことになるのであれば、お客さまに喜ばれる商品にはなりません。

安いことで喜ばれるかも知れませんが、安かろう悪かろうでは、満足度をあげることはできないのです。
少しでも品質の高いものを、できるだけ安価で提供するということを考え続けて生産する必要があります。
管理者として、ある程度のポジションになると、実際にお客さまと接することが減ってくることが考えられます。
もともと、直接お客さまと接することのない部署であるかも知れません。

それでも、自分の活動が、最終的にお客さまの利益につながっているかどうかということが、企業における一番の価値基準、行動基準、判断基準となります。
部下への指示や指導も、『顧客の創造』に向けて行わなければいけません。
とはいうものの、実際にお客さまと接することのないところにいて、お客さま第一主義を実践するのは、相当の想像力が必要とされる、難易度の高い要求です。

ではどうすれば良いのか。
ここで、【第1回】第2章に立ち返ることになります。

会社の中で、お客さまのことを一番考えているのは社長です。
すべての社長は、

「お客さまに喜んでもらえる会社にしたい」

ということを考えて、経営をしています。
社長がどうしたいのか、経営者の思いを真剣に考え、感情移入して、経営者の思いに答えるような行動を取ることが、お客さまのことを一番に考えた、一番正しい行動となるのです。

それぞれの業務は違っていても、みんなが同じひとつの目標に向かって進んでいくことが、企業の成長につながり、ひいては自分自身の利益につながります。

もうひとつ、正しく認識しておかなければいけないことがあります。
それは、私たちは会社や、社長から給料をもらっているのではないということです。

私たちは実は、お客さまから給料をいただいているのです。
お客さまが、自分の会社の商品やサービスに対して、払ってくれたお金の中から、私たちの給料は支払われています。

だからこそ、常にお客さまに向いて仕事をする、お客さまに喜ばれる仕事をすること。

部下のモチベーションを上げ、スキルを上げながら、そこに導いていくことのが、管理職の最大の役割であり、唯一の使命なのです。

 

第17章 思い通りに部下を動かす

部下を動かすポイント 1 直接的に注意しない。

部下を注意しなければいけない場合、ひとことの違いで大きく結果を変えることがあります。
注意するだけなら簡単ですが、次からの行動を本心から変えてもらえるように導かなければいけません。
部下の気持ちを考え、様子を伺いつつ、まずは褒めておいてから、“でもね”といって、注意を始めてしまうことはありませんか。ところが、“でもね”と否定的な言葉を聞かされたとたん、部下は今まで褒められていたことがリセットされ、反発心を覚えてしまいます。
“でもね”を、“だから”という言葉に変えてみてください。
それだけで部下は、期待に応えようとしてくれるはずです。

「最近仕事が早くなったのは評価しているよ。でもね、ミスが多いから、もう少し正確にやって貰わないと困るんだ」

「最近仕事が早くなったのは評価しているよ。だから、正確性を高めれば、もっと良くなると思うんだ」

誰もが、自分を否定されるのはイヤなものです。
ちょっとした言葉の選び方で、相手を認めながらも、遠回しに正しい行動へと導くことができるのです。

部下を動かすポイント 2 つねに謙虚に、横柄にならない。

それでも注意をしなければいけない場面に直面したとしても、横柄な態度でいうことを聞かせようとするのはマイナスの効果しか生み出しません。
謙虚な態度で、自分も完全ではないということを相手に示し、自分自身の失敗談や未熟だった頃のことを話した後で、相手の気づきを促せば、相手に不快な思いをさせずに、いうことを聞いてもらえるようになります。

部下を動かすポイント 3 意見を求め、命令をしない。

部下に考える余地を与えず、直接的に命令するだけで、将棋の駒のように使っていては、相手の自尊心を傷つけるだけです。
常に部下に意見を求め、自主的に動くようにし、失敗までを想定のうちに、部下を学ばせることができる器の広さを持って接しましょう。
あくまでも暗示によって方向性を与えるだけ。
命令をしていうことを聞かせることよりも、自分の意志で動いた方が、よっぽど生産性は上がるというものです。

部下を動かすポイント 4 相手の気持ちを、一番に考える。

自分の気持ちを通すために、部下の感情を無視して命令を下す。

人前もかまわず部下をしかりとばす。

人の上に立つと、どうしても部下の自尊心を考えない言動をしがちです。
でも、それは反発しか生み出しません。
相手の心情を理解して、思いやりのある言葉をかけた方が、どれだけ部下に慕われて、思い通りに動いてくれて、喜んでついてきてくれるでしょうか。

どんなに自分が正しくて、相手が間違っていても、それをやり込めて、尊厳を傷つけることで得られるのは、一瞬のつまらない自己満足だけです。
自分が部下をどう思うか以上に、部下が自分をどう思うかを考えて対応することが、何よりも大切な接し方のポイントです。

部下を動かすポイント 5 まずほめる。すぐほめる。わずかなことでもほめる。

誰もが、他人から評価されて認められたい

という願望を持っています。
だから当然、ほめられて嫌な気分になる人はいません。
ましてやそれが上司なら、部下としてどれだけ励みになるでしょうか。
上手にほめることによって、部下のモチベーションは簡単に上げることができます。
逆に、上っ面だけでほめても、すぐにばれてしまい、かえって反発を買うことになってしまいます。

ほめることに躊躇はいりません。
どんなことでも、心の底から、惜しみなくほめましょう。
批判されることによってやる気を削がれ、ほめられることによってはじめて、実力以上の力を発揮してくれるのです。

部下を動かすポイント 6 評価し、期待し、激励し、自信を持たせる。

部下に対して、直して欲しいと思うところがあれば、まずはそれを、“できる”と評価することです。
相手にその能力が備わっているということを公然たる事実として扱い、期待をかけることで、部下はそれに応えようと、自ら率先して動いてくれるようになります。
自分に対して良い評価を受けた以上、その評価を提げないように振る舞おうとするのが人の常。
部下の能力を信じていると知らせることで、自分が優秀だと思い込ませ、自分ならできるという自信を持たせれば、一生懸命頑張るようになるのです。
一生懸命頑張りさえすれば、できなかったこと、能力が足りなかったことも、向上心によって克服され、誰よりもできるようになっていきます。
相手の欠点を責めることは、ただただやる気を削ぎ、成長を押さえ込むことにしかならないのです。

部下を動かすポイント 7 利益を示し、喜んで協力させる。

部下を動かそうとするとき、まず考えるのは、相手にどんな利益があるかということです。
自分がそうしたいからということではなく、相手の身になって考えましょう。
相手が求めていることを把握し、自分が部下になにを期待するのかを明確にし、自分に協力することによってどんな利益があるのかを誠実に伝え、対価を約束し、そのとおりの利益を相手に与えることによって、なにを頼んでも喜んで協力してくれるようになります。
部下にものを頼む際、頼まれた側にも利益があるということに気付かせることが重要です。

7つのポイントをきちんとこなしても、必ずしも良い反応が返ってくるわけではありません。
思い通りに反応してくれるのは数パーセントの人だけでしょう。
でも、7 つのポイントをやらなかった場合よりも、やった方がわずかでも上手くいったとしたら、それは大いなる前進といえるでしょう。

人を動かす能力はそう簡単に身につくものではありません。
それでも、ポイントを意識しながら対応していくことで、少しずつその能力を高めていくことでできるはずです。

 

中間管理職講座まとめ

かつてのクリエイティブディレクターは神のような存在で、デザイナー、コピーライターは絶対服従でした。今ではなかなかそうもいかず、上手くコントロールしないと思うとおりに動いてくれません。基礎知識だけですべては解決しませんが、少しでも現場を上手く回すための参考になれば幸いです。

あなたのビジネスに、少しでもプラスになりますように。

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