企画料、コピー料、デザイン料未回収。広告代理店のユウウツ。

 

小さな広告代理店には、怪しげなベンチャー企業やこれから開業する会社からの仕事も舞い込みます。

初取引のクライアントには、基本的には納品時現金払いという条件をつけるのですが、それでも未回収になったり、裁判沙汰になったり、差し押さえ直前まで払うのをゴネたクライアントもいます。

ですが、そういったクライアントは小物が多い。損害も100万円前後。

実は大手企業ほど、やり口が汚かったりします。

 

バブル以前、バブル以降。

バブル崩壊以前、広告業界のほとんどがどんぶり勘定でした。

見積もりなし、口頭ベースで仕事が発生。

クライアントに言われるがままに制作。

欲しい金額よりちょっと高めで請求。

ちょっと高いといわれて請求し直し。

もしくはそのままOK。

なんの契約もなく制作して、どんぶり勘定で請求。

A4・8ページ、制作費300万円(写植代込、撮影・イラストなし、版下入稿、印刷含まず)というのが、私の聞いたことがある最高のデザイン費です(ポスターを除く)。

その流れでバブル崩壊に突入したので、作った後で請求時にいきなりガツンと制作費を叩かれるということが頻発。

あらゆる制作費が1年の間に1/2から1/3まで一気に下がり、以来広告業界は浮き上がることができないまま今に至ります。

 

バブルがはじけで5年が過ぎた頃。某・ショッピングセンター。

 

某ショッピングセンターの新規開店プロモーションにて。

半年くらい前からティザー広告(施設の全貌を見せない予告広告)を仕込み、ページ物の新聞折込チラシを3本、ポスターを十数本、新聞広告から交通広告、DM、ノベルティまで、プロモーション一式を企画・制作させてもらいました。

結果、プロモーションは大成功。というのも、ショッピングセンターのカード会員獲得が集客目標のひとつの指標だったのですが、目標を2万人もオーバー。制作物の評価もかなり高く、他の商業施設からの仕事も舞い込むほどでした。

そして請求時。

制作期間・6ヶ月以上。コピーライター1人、デザイナー5人、AD1人、プロデューサー1人。ロケ/撮影のべ10日以上。

撮影で実費として200万円以上かかっていて、さらに8人の人件費として最低でも月に25万円/1人は欲しかったので、1500万円を着地点に、1800万円の請求書を切りました。まぁ、どんぶり勘定なんですが。

クライアントからの回答は、カード会員が目標をオーバーし、カードの発行経費が赤字になってしまったこともあり、1200万円までしか払えない。

しかも会社のルールとして支払いの上限は月に400万円まで。

結局、クライアント都合により月400万円×3分割払いに。

仕事、ヤリ損。それでも引き続きチラシやポスターの仕事をもらえることになっていたのですが、「高すぎる」と言われ、3ヶ月で切られてしまいました。

 

新規媒体開発にて。凸版×大手商事会社。

 

私が勤めていた広告代理店と凸版印刷とで、トラックの側面と背面を利用する広告媒体を開発していたときのこと。

車両のラッピングは屋外広告扱いになり、屋外広告は県と政令指定都市によって規定されているので、日本全国の都道府県庁と政令指定都市に屋外広告の車両のラッピング広告規定を確認。

さらに、媒体として定期的なルートを走っているトラックを押さえるべく、コンビニの配送トラックをネットワーク化。

そしてクライアントも見つけて、一発目のトラックアドを実施。

そのタイミングで、なぜか凸版印刷と〇〇商事の共同開発ということでプレスリリースされ、私が勤めていた広告代理店は蚊帳の外にはじき飛ばされてしまいました。〇〇商事、どこから出てきたんだ???

媒体開発費と、最初のクライアントからの媒体費を、なぜか何にもしていない〇〇商事に請求するハメになったのですが、会社の信頼度が低いので取引の審査に通らず、銀行口座を開設できないのでお金が払えないといってきました。

仕方がないので、広告代理店の社長の知り合いが経営している会社の口座になんとか振り込んでもらったのですが、そこも審査ギリギリなので次回以降は取引できないとのこと。

広告を取ってきても、お金を払ってもらうすべがなく、自分たちで開発した媒体をみすみす横取りされてしまいました。

といっても凸版はあくまで印刷屋。広告媒体の営業はできません。

結局その媒体は、注目もクライアントもまったく集められず、フェードアウトしてしまいました。

 

Always Pleasant Amenity会社。

 

これは、私がクビにされた会社で一緒に仕事をしていた、仲が良かった営業から聞いた話。

私が辞めた後に、マンション・ホテル事業をしているグループ企業の情報誌を制作・納品し、見積もりどおり50万円の請求をしたところ、支払日に30万円しか振り込まれていなかったそうです。

問い合わせをすると、その会社の代表曰く

 

「あの程度のデザインだったら、30万円で十分でしょ」

 

テレビで笑顔を振りまいているド派手な奥さんの旦那は、ビジネスルール無視の最低のドけち野郎でした。

 

口を出すなら金を出そう。

 

見積もりも出さず、契約書もないままに仕事に取り掛かるのって、ずっと前からどうかしていると思っていました。

 

10案出しても、100案出しても、気に入らなければ作り直し。

A4・4ページのパンフレットの製作期間が、発注から納品まで1年以上。

それでも追加料金が発生しないというどんぶり加減。

 

さすがに最近では、発注前にシビアに条件を出したり、予算的に無理なオーダーは断ったり、請求時に理不尽な値引きをされることはなくなっています。

デザインもコピーも、適正価格がつけにくいものではありますが、対価はきちんと払ってもらいたいものです。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です