「光とともに…~自閉症児を抱えて~」完全完結。偏見のない国へ。

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」を知っていますか。

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」は、2001年〜2010年にかけて、『フォアミセス』に連載されていたマンガです。

2004年にはテレビドラマにもなっており、篠原涼子と山口達也が夫婦を、自閉症の子供役を齋藤 隆成が演じ、話題になったのを覚えている人も多いと思います。

私は、娘が小学生の頃に近所の公民館から借りてきていたのを一緒に読んだことからこのマンガを知りました。

そして、ほんの少しだけですが、マンガを通じて「自閉症」のことを理解することができました。

社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強くなる神経発生的障害の一種。先天性の脳機能障害とされるが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。
世界において1000人あたり約1-2人が自閉症を持っているとされ、また男子には女子の5倍以上多い。

電車に乗っていると、よく「自閉症」の人を見かけます。

何も知らないでいると

「危ないヤツだなぁ。近づかないようにしよう」

と、ほとんどの人が思うのではないでしょうか。
でも危ないヤツなのではなくて、人とのコミュニケーションが苦手だったり、大きな音が苦手だったり、突発的な出来事が苦手だったりするので、きちんと見守ってあげなければいけない人たちなのです。

自分から関わることもなかなか難しいと思いますが、無関心でいることもダメだと思います。

「自分には関係ないから、知らなくてもいい」

というスタンスで、「自閉症」を認知しない人が多ければ多いほど、「自閉症」の人が生きることができない社会になってしまいます。

「自閉症」で確実に苦しんでいる人たちがいる限り、健常者の責任として、せめて少しでも関心を持って、理解をしてあげて欲しいと思います。

そのためには、「光とともに…~自閉症児を抱えて~」を読むのが一番の近道です。

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」リターン。

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」は、15巻で終わっているのですが、実は完結していません。

マンガの作者の戸部けいこさんが、52歳という若さで急逝してしまったのです。

マンガで知った、「自閉症」に対する社会の風当たりや福祉事情も衝撃でしたが、作者が亡くなったことはそれ以上に衝撃で、「光とともに…~自閉症児を抱えて~」は、生涯忘れることのできない想いを脳裡に刻み込んでくれました。

その、「光とともに…~自閉症児を抱えて~」の別巻が、なんと6月16日に発行。

原著者・戸部けいこさんが遺した最終2話のネームに、河崎芽衣先生が加筆修正し、完結させた作品となっています。

中には自閉症だけでなく、DVの問題も描かれています。

懐かしさ、息苦しさ、切なさ、やさしさ、あたたかさ、いろんな想いがよぎり、ボリューム以上のストーリーが頭にぐるぐる回り続けています。

文庫版も発売されていますので、ぜひ読んでみてください。

 

one more thing.

「光とともに…~自閉症児を抱えて~」と同じ思いで読んだ本があります。

それは、住井 すゑの「橋のない川」

部落問題を扱った全7巻に及ぶ長編で、とにかく話がひたすら重い。暗い。つらい。
でも、そこに生きる人たちのたくましさが、救いのない話にかすかな光を差しています。

部落問題に関して、今の若い人たちは知らない人も多いので、このまま風化して行けば差別はなくなるのではないか、という意見もあります。

ですが、差別される側からすればとんでもない話です。

いまも虐げられ、就職や結婚にハンデを持たされた人たちにしてみれば、「知らない」と言うこと自体が、差別する側と同罪なのです。

コピーライターとして、部落問題を理解するための小冊子のプレゼンに参加したことがあるのですが、女子高生の手記が本当にキツかった。

学校での「いじめ」は、いっこうになくなる気配をみせず、事件が起こるたびに腹立たしくなりますが、それを地域ぐるみ、社会ぐるみでやられるわけです。
学校ならば逃げ場はあるけれど、社会から逃げることはできない。生まれながらに負のレッテルを貼られた女子高生は、何に希望を持って生きていけば良いのか。結婚に夢を持つことすらできないのです。

島崎藤村の「破壊」も部落問題を扱った小説ですが、「橋のない川」に比べたら、読むに値しない駄作です。

 

ビジネス本も良いけれど、たまには感受性も磨いてみませんか。

「橋のない川」も、オススメの一冊(7冊あるけど)です。

 

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