斉藤由貴から牛乳石鹸まで。広告はどこまで消費者に責任を持つ必要があるのか。

タレントの不祥事やネットの炎上でオンエアや掲載中止になった広告の数々。

タレント起用の広告に関しては、ターゲットに対してタレントが持っている好感度をもとに、イメージ戦略としてキャスティングされているわけで、不祥事を起こして世間のイメージが変わってしまったら戦略が吹っ飛んでしまうので、広告出稿停止は仕方がないところ。注目度は上がると思いますが、売れなくなったら元も子もありません。

斉藤由貴も、結局契約CMを全て降板することになってしまいました。

 

広告のネット炎上、3つのパターン

1. 炎上ギリギリのラインを狙って制作されたもの。

炎上するにしても、ターゲット内で賛否両論が生まれるような表現なら、それはいままでの価値観に一石を投じることになります。それによって注目が集まり、新しい需要の創出も見込める。
マス広告は不特定多数の目にとまるため、100人が見たら100人に良い印象を与える表現が求められますが、100人中99人は振り向かなくても1人に届けばいいという、昨今のラーメン次郎的コアファン形成戦略においては、ある程度の好感度は切り捨てても、絞りこんだターゲットのハートをがっつりつかむことも必要です。
とは言っても口コミなんて思い通りには拡散しません。
ギリギリを狙っても炎上しなかったり、想定以上に燃え上がってしまうことも。

サントリーPR動画炎上

狙い通りに広告効果を上げるのって、本当に難しいです。

 

2. 制作者たちの感覚がずれていて、さらにクライアントもずれていたもの。

何でこんなもの、いけると思っちゃったんだろう。

壇蜜出演の宮城県観光PR

ひとつのことをずっと考えていると、途中で目的を見失ってしまうことがあります。
それが面白いアイデアだと思い込めば思い込むほど、ずれは大きくなっていきます。
それをレールに戻すのが、クリエイティブディレクターの仕事。
でも、クリエイティブディレクター自信が見失うことがあります。
営業からクライアントまで、他にも関わっている人がたくさんいるのに、誰も気付くことがない。

ターゲットの動向を一番捉えていなければいけないのに、バランス感覚を失って、ターゲットを逆なでするものをつくってしまう。
これは広告制作に関わった人間、全員の責任です。

 

3. 少数の人たちの意見が、拡散するうちに主流となったもの。

一番やっかいなのがこれ。

広告制作をしていると、たった一人のターゲットの意見が、総論のように語られることがあります。
一意見として貴重だったり、中にはそこから新しいアイデアが生まれてくることもありますが、大抵はたいしたことじゃない。
それが、例えばクライアントから「知り合いに使ってもらったら、こんな反応があった」なんて言われると、今までの分析が全てリセットされて、主流の意見になってしまう。

その中でも特に差別的表現に関しては拡散しやすく、いいわけもきかないので、広告制作においては、ものすごく敏感になります。
それでも思いも寄らないところでやり玉にあがることが、多々あります。

女性モデルにエプロンを着せるのは、家事は女性のものというイメージを植え付けるからダメ。

写真にしても、イラストにしても、指が4本しか見えていないのは、被差別部落への差別的表現になるからダメ。

大貫卓也が制作した「ROLLING-K」のポスターには、レイプされた女性を想起させるというクレームが。

1980年代後半から1990年代にかけ、「黒人差別をなくす会」によって、ちびくろさんぼ、ダッコちゃんマーク、カルピス食品のシンボルマークといった、黒人をモチーフとしたキャラクターが一掃されてしまいますが、「黒人差別をなくす会」の当時の構成員は、大阪府堺市に住んでいた、たった3人の家族。
手塚治虫のマンガも、「顔が真っ黒で唇が分厚い」という黒人の描写に、差別的表現だといって文句を付けていました。

水原希子に関しては、まったく逆に、水原希子に対する差別によって炎上しています。

 

結局、広告はどこまで消費者に責任を持つ必要があるのか。

広告表現に対するルールを破ったときは、責任の100%は広告主に課せられます。

ネット上にはそんな広告がうじゃうじゃあるのですが、なぜかそういうインチキ広告はなかなか炎上しない。

炎上するのは注目度の高い大手企業ばかり。
当然ルールの中ではやっているものの、言葉尻や表現のちょっとしたスキをついてクレームを付けてくる。

広告を見るのがイヤならテレビを消せばいいのに。気に入らないなら商品を買わなきゃいいのに。

なんてことは絶対にいえないのが、広告の宿命。
その表現に対して100%責任を取らなければいけないという緊張感を持って、つくらなければいけないのです。

 

それにしても、パンツ被り写真で世間を騒がせている斉藤由貴の不倫問題ですが、私と同世代の男性の多くは、心の底ではうらやましいと思っているのではないでしょうか。

 

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