大手広告代理店にとって、実はクリエイティブなんてただのオマケ。

テレビやラジオ、雑誌、看板に至るまで、様々な広告枠の販売。

そして、その広告枠に掲載する広告の企画・制作。

他にもイベントの仕込みとか、ノベルティの手配とか、いろいろな仕事が発生しますが、広告代理店の主な仕事は、およそこの2点に集約されると思います。

が、実は大手代理店に限っていえば、もうひとつの大きな仕事がある、ということを、コピーライターだった父から教わりました。

それは“金貸し業”です。

企業が新商品・新サービスを立ち上げる際には、当然大規模なプロモーションをおこないます。

ところが、商品開発に莫大な費用をかけた直後、まだ何も利益を生み出していない商品に対して、さらに億単位の広告費をかけるのは、かなり大きな負担です。

そこで、大手広告代理店を通すことによって、広告費を一旦肩代わりしてもらい、商品発売後、ある程度収入を得てからの支払いにすることができるわけです。

とはいっても最終的にそのツケは、半年手形とか、さらにムチャクチャのばされて下請けに回るのですが、時には数十億円を超える広告・宣伝費の担保に耐えられる広告代理店となると、結局電通か博報堂ということになってしまうのです。

大きなプロモーションになると仕込みに数ヶ月かかることもあるので、小さな代理店では、請求書を発行するまでにかかる諸経費すら立て替えることができません。

私が今までに勤めていたところでも、一千万円を超える予算の仕事になると制作中の人件費が回せなくなるので、半分を前金で、残りを納品時に、という契約をしていました。

“クリエイティブのクオリティ”やら“最新のマーケティングを利用した新しいプロモーション”なんていう効果の定かではないものに対して、そうそう億単位のお金が支払われてるわけではないのです。

また、例えばクライアントやタレントが不祥事を起こして、TVCFや新聞広告の掲載を見送らなければいけなくなったときに、即他の広告で穴を埋められるか・・・といったら、それができるのも、大手広告代理店だけ。

媒体を持っているだけでなく、クライアントを持っている。小さな広告代理店で、大手企業からTVCFの仕事が回ってきても、リスクが高くて受けきれません。

そういった所にも大手広告代理店の優位性があるのです。

また、企業にプロモーションを持ちかけて、効果があろうがなかろうが、それで会社がつぶれてしまおうが、おかまいなしに広告費を回収する。なんていうのも大手広告代理店の得意とする手段。

父が電通でコピーライターをやっていた頃(40年以上前です)には、回収専門のグループ会社もあったそうです。

そもそも大手広告代理店にとって、クリエイティブなんてオマケ。

CFの制作費なんて、所詮数千万円程度。媒体費は総額億超え。

大手広告代理店の媒体局局長をやっていた人は、局長の頃は「媒体売ったから、とりあえずなんでもいいから入れとけ」というスタンスで仕事をしていたといっていました。

大手広告代理店の主役は営業。その儲けどころは広告制作物ではありません。

クライアントに儲けさせる仕組みを提供することですらなかったりします。

だから広告代理店の営業と制作は、どこへ行っても、とっても仲が悪いのです。

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